人間の生きる時間には限りがあります。
100歳を超えて生きたとしても、必ず終わりを迎えるからです。
自分や大切な人の命に限りがあると気づいた時、ぜひ読んでほしい本があります。
今回は
- 自分や相手に残された時間が短いと感じている
- 自分の生き方を見つめ直したい
- 生きている内に読むべき小説が知りたい
という方に向けて「死ぬまでに読むべき小説」についてアシストします。
この記事を読めば、読書を通して充実した時間を過ごしたいと思えますよ。
ぜひ最後までご覧ください。
【確認】どうして読書をおすすめしたいのか
死ぬまでに読むべき小説を紹介する前に、確認しておくことがあります。
それは「どうして読書をおすすめしたいのか」ということ。
生きている貴重な時間を、どうして読書なんかに充てないといけないの?
あなたもこう思いましたよね。
たしかに、人間の限りある時間を読書に充てることは、貴重な時間を捨てているような感覚を覚えるはず。
しかし、読書をすると、残された時間が充実したものに変わるのです。
本には作者や著者の考え方、大きく言えば「生き方」が凝縮されています。
その凝縮された生き方の断片を読むことは、読んだ側に小さくても変化をもたらすんです。
例えば、残された寿命がわずかな青年が主人公の小説を読んだとします。
最初は「面白そう」とだけ思っていたあなたも、青年の生き様を垣間見ることで「自分も懸命に生きよう」と思えるはずです。
また、実際に自分に残された時間がわずかという場合、読書をすることで死ぬことの恐怖が和らいだり、大切な人と有意義に過ごしたりすることができるんです。
生きている貴重な時間を読書に充てることは、けっして無駄ではありません。
ぜひ覚えておいてください。
【厳選】死ぬまでに読むべき小説5選
読書をおすすめしたい理由がわかったところで、本題の「死ぬまでに読むべき小説」を紹介します。
今回は、私が実際に読んでおすすめしたい小説を5作品、厳選しました。
- 西の魔女が死んだ/梨木香歩
- きらきら眼鏡/森沢明夫
- ささら さや/加納朋子
- ギフト/日明恩
- シロクマ係長の奇跡/鈴森丹子
それぞれ「選んだ理由」「あらすじ」「注目ポイント」を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
西の魔女が死んだ/梨木香歩
【広告】
- 心に残っていることを解決しようと思える
- 家族を大切にする思いを再確認できる
- ちょっとしたメッセージを残したくなる
・あらすじ
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
『西の魔女が死んだ』カバーより
・注目ポイント:「まい」とおばあちゃんの関係
死ぬまでに読むべき小説1作品目は、梨木香歩氏の『西の魔女が死んだ』です。
主人公の少女「まい」と、母方の祖母である「おばあちゃん」の関係が温かい内容となっています。
ただ、「まい」とおばあちゃんはずっと仲が良かったわけではなく、喧嘩別れのような状態で別れてしまいます。
そのまま「まい」は、小説冒頭にもあるように、おばあちゃんが亡くなったことを知るのです。
けれど「まい」とおばあちゃんの絆は深く、話の最後にはおばあちゃんからのメッセージが残されます。
結果、「まい」は再び「おばあちゃん、だいすき」と言えるようになるんです。
あなたにも、喧嘩別れのような状態で別れたままの人はいませんか?
家族や恋人、友人、恩師……。
もし思い当たるなら、ぜひ自分が死ぬまでに、相手が亡くなってしまう前に「申し訳ない」という気持ちを相手に伝えましょう。
もしかしたら拒絶されるかもしれません。
それでも、伝えないままで亡くなってしまうよりは何倍も良いです。
私達は「まい」のおばあちゃんのように魔女というわけにはいきません。
だからこそ、生きている内に大切な人には感謝と謝罪の気持ちを伝えましょう。
『西の魔女が死んだ』には、伝えられなかった後悔と大好きという気持ちが込められています。
自分が死ぬまでに、ぜひ読んでみてください。
きらきら眼鏡/森沢明夫
【広告】
- 残された人の幸せを願いたくなる
- 自分の寂しさと向き合える
- 最後まで前向きに生きたくなる
喪失感に浸る中で立ち寄った古本屋で、明海は1冊の自己啓発本を購入しました。
明海が印象に残ったフレーズにはすでに傍線が引かれており、しかも本には「大滝あかね」と書かれた名刺が挟まっていたのです。
名刺に書かれた連絡先へメールをすると、あかねと会うことに。
この出会いが、それまで流されるように生きてきた明海の人生を変えるきっかけに――。
・注目ポイント:自分が先に逝くことの辛さ・残された人の辛さを想える
死ぬまでに読むべき小説2作品目は、森沢明夫氏の『きらきら眼鏡』です。
タイトルにもある「きらきら眼鏡」とは「心にかけられた眼鏡」のこと。
「フィルター」とも言い換えられます。
それぞれの人がそれぞれの「眼鏡」を心にかけています。
ある人は「生きていること自体に感謝したい」という、真っ直ぐな「眼鏡」を。
またある人は「なんで人生ってこんなに苦しいんだろう」という、後ろ向きな「眼鏡」をかけています。
どちらが正しいということはありません。
どんな眼鏡でも、その人が選んだ「眼鏡」だからです。
『きらきら眼鏡』の話の中では、とある人物が余命がほぼない状態で登場します。
その人物が印象深い言葉を残しています。
「命って、時間のことだからさ。もたもたしてると時間切れになっちゃうぞ」
そう、「命」とは「残された時間」のことなのです。
当たり前のことですが、意外と気づけない方も多いですよね。
時間がまだあると思って生きていると、あっという間に時間が無くなり、命も亡くなってしまいます。
主人公である明海も、この言葉に気づかされ行動に出るんです。
『きらきら眼鏡』の作中には、他にも印象的なセリフが登場します。
あなたの残された時間にも響く言葉が見つかるはずですよ。
ささら さや/加納朋子
【広告】
- 自分が死んだ後どうするか選びたくなる
- 残された人を助けたくなる
- 大切な人の幸せを願える
・あらすじ
事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良(ささら)の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。
『ささら さや』カバーより抜粋
・注目ポイント:幽霊となった自分が他人に憑依できるとわかったら
死ぬまでに読むべき小説3作品目は、加納朋子氏の『ささら さや』です。
物語の主人公・サヤは、目の前で夫を交通事故で亡くしてしまいます。
赤ん坊であるユウ坊を連れて、失意の中、佐佐良の街に移住することから物語は始まります。
『ささら さや』の注目すべきポイントは、亡くなった夫が幽霊となり、しかも他人の体に憑依して登場することです。
サヤの周りで起こる不思議な事件を、体を借りた夫が解決していく。
『ささら さや』は、そんなミステリ要素も含まれています。
本書でもう1つ印象的なのが、各章の扉絵です。
その章を読み終わった後、改めて扉絵を見ると、感慨深い思いに浸れるんです。
そして本書の最初にある扉絵を、物語を読み終わった後に見返すと、温かい思いに浸れます。
何の前触れもなく、いきなり人が亡くなることは多いですよね。
もしかしたら、あなたもサヤのように「残された側」かもしれません。
でも、あなたは亡くなった方に見守られています。
あなた自身は気づけなくても、きっと亡くなった方はあなたの幸せを願っているはずです。
反対に、自分が人を残したまま逝かなければならない時、『ささら さや』を読めば、残された人の幸せを心から願えるでしょう。
『ささら さや』には、残す側・残される側それぞれの気持ちが折り重なっています。
読み終わると、やるせなくも温かい気持ちになりますよ。
ギフト/日明恩
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- 幽霊となった自分を見える存在がいてほしいと思える
- 死後に未練を残したくないと感じる
- 幸せな気持ちで天国に行きたいと思える
・あらすじ
ある事件がきっかけで、職を辞した元刑事の須賀原は、死者が見えるという少年・明生と、ふとした縁で知り合った。互いに人目を避けて生きてきた二人。須賀原と明生は、様々な事情でこの世に留まる死者たちの未練と謎を解き明かしていく
Amazonより抜粋
・注目ポイント:幽霊が見える少年と元刑事の関係
死ぬまでに読むべき小説4作品目は、日明 恩(たちもり めぐみ)氏の『ギフト』です。
『ギフト』には、様々な死者が幽霊として登場します。
幽霊の描写は怖いと感じることが多いですが、死者が見える少年・明生と元刑事の須賀原は、その怖さを乗り越えて死者達の未練を解決していくのです。
実は『ギフト』は、私が読書を再開したきっかけの作品でもあります。
書店で魅力的な表紙とあらすじに惹かれて購入したんです。
ただ、死者の描写がリアルで、私は1章目で読むのを断念しようと思ったほど。
けれど読み進めて、最後には明生と須賀原の幸せな再会を願うようになれました。
人は亡くなってしまうと、生きている人間には干渉できないと感じます。
事実、生きている私達も、霊感がある方を除けば幽霊となった死者の存在を感じることはできませんよね。
でも、もし死者の存在を感じることができたのなら、あなたは恐怖を乗り越えられるでしょうか?
実際、明生も最初は「見える」ことを隠し、幽霊の存在を避けて生活していました。
しかし、須賀原と出会ったことで恐怖を乗り越え、一歩を踏み出すことができたんです。
『ギフト』に登場する幽霊達は、先ほども書いたように、当初は恐ろしい姿で描かれています。
でも、願いが叶い成仏する直前には、生前の姿を取り戻すのです。
あなたには未練はありますか?
あるのなら死ぬ前に、未練を残さないようにしましょう。
未練を残してしまうことの恐ろしさ・悲しさを『ギフト』は丁寧な描写で表しています。
本書を読めば、きっとあなたも悔いの残らないよう生きたくなるはずです。
シロクマ係長の奇跡/鈴森丹子
【広告】
- 仲の良かった人達を思い出せる
- 死んでもなお困っている人を助けたいと思える
- 自分が死んでもたまには集まってほしいと願える
・あらすじ
悩める背中をそっと押してくれる、モフモフあったかい救いの手。
思い出を残して故郷を旅立ち、別々の地で別々の人生を歩み始めた元幼馴染みたち。
仕事に、家庭に、恋に悩んで立ち止まってしまった彼らのもとへ、あるとき白くてでっかいお友達があらわれた。
のんびり屋で天然で、空気の読めない喋るシロクマに、最初は驚き困惑していた彼ら。けれど、不思議と懐かしい温かさを感じるその振る舞いに、いつのまにか背中をそっと押されていることに気がついた。やがて、思い出の中に置いてきたシロクマ係長の正体と、“友達”の切ない想いが明らかに。
Amazonより引用
・注目ポイント:幼馴染達の悩みと想い
死ぬまでに読むべき小説5作品目は、鈴森丹子(すずもり あかね)氏の『シロクマ係長の奇跡』です。
『シロクマ係長の奇跡』には、捺彦(なつひこ)・亜貴・友紀美の幼馴染達が登場します。
それぞれ仕事に、家庭に、恋にと、うまくいっていません。
そこに、アニメの中の存在だった「シロクマ係長」が登場することで、話が動き出すのです。
シロクマ係長が登場するまで、幼馴染達の悩みは大きいものでした。
捺彦は憧れていた仕事に就いたものの、うまくいかない。
亜貴は何でも1人で抱えてしまい、夫に頼ることができない。
また友紀美は、気になる存在がいても恋に一歩踏み出すことができない。
ここまで書くと、私達にも通じるところがありますよね。
シロクマ係長はそんな幼馴染達の悩みを、ほんわかとした優しさで解消していくのです。
実際、『シロクマ係長の奇跡』を読み終えると、自分の所にもシロクマ係長が来てくれたらと思えます。
生きている時間は有限だからこそ、悩みを早く解消したいと思うのは当然だからです。
『シロクマ係長の奇跡』は、そんな生きている時間の尊さと有限さを書き表している作品でもあります。
また、ここまで触れませんでしたが、どうしてアニメの存在だったシロクマ係長が現実に登場したのか?
実はこの「シロクマ係長」、幼馴染達もよく知っている存在が正体なんです。
正体が何なのかは、実際にあなたの目で確かめてみてください。
まとめ:生きる時間は限りがあるもの
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
最後に死ぬまでに読むべき小説5作品をおさらいしましょう。
- 西の魔女が死んだ/梨木香歩
- きらきら眼鏡/森沢明夫
- ささら さや/加納朋子
- ギフト/日明恩
- シロクマ係長の奇跡/鈴森丹子
この5作品に共通しているのは「生きている時間には限りがある」こと、また「別れは突然やってくる」ということ。
生きている時間は無限ではありません。
ただ限りがあるからこそ、人は生きることに懸命にもなれます。
ぜひ今回紹介した5作品を通して、あなたやあなたの大切な人との時間を見つめ直しましょう。
きっと、生きている時間を大切にしたいと思えるはずですよ。
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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