誰でも、それまで普通に行っていたことが嫌になる時があります。
あなたも、私も、同じです。
そんな落ち込んだ状態を、優しく勇気づけて、浮上させてくれる存在がいたら、回復も早くなりますよね。
今回は
- 会社や学校に行けなくて悩んでいる
- 家族と仲たがいをしていて辛い
- 幸せを感じる生き方がわからない
という方におすすめしたい、梨木香歩(なしき かほ)氏の小説『西の魔女が死んだ』についてアシストします。
この記事を読めば、本書のあらすじとテーマがわかりますよ。
読書初心者の方にもおすすめの作品です!
【西の魔女とは?】あらすじを紹介
『西の魔女が死んだ』を読んでみて、テーマは「自分が幸せに生きる方法」だと感じました。
本書のあらすじは次のとおりです。
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
『西の魔女が死んだ』カバーより
本書のタイトルにもある「西の魔女」。
その正体は主人公・まいの、おばあちゃんのことなんです。
また、タイトルからファンタジー系の内容かと思えますが、実際は現代が舞台の話でもあります。
不登校状態になってしまった「まい」が、おばあちゃんと自然豊かな場所で暮らしながら、料理や家庭菜園などの「魔女修行」を通して、生きる力を取り戻すことが話の流れです。
「まい」はおばあちゃんと暮らす中で「魔女修行のかなめは『なんでも自分で決めること』」と教わります。
喜びも、希望も、幸せも自分で決めるんです。
最初は腑に落ちない様子の「まい」でしたが、心が回復するにつれて感覚を掴んでいきます。
この「魔女修行」は現代の私達にも、ためになる部分が多いです。
特に「幸せを自分で決める」という部分は、他人機軸で「幸せ」を求める方にとって、目が覚めるような文章になってします。
おすすめしたい理由は「幸せに生きる秘訣がわかる」こと
『西の魔女が死んだ』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「幸せに生きる秘訣がわかる」ことです。
物語の冒頭は、衝撃的な書き出しで始まります。
西の魔女が死んだ。四時間目の理科の授業が始まろうとしているときだった。
『西の魔女が死んだ』本書より
いきなり西の魔女こと「まい」のおばあちゃんが亡くなったことから、本書の話は展開していきます。
そして、おばあちゃんと過ごした日々は「まい」の回想として語られるんです。
また「西の魔女」こと「まい」のおばあちゃんは、ほうきで空を飛べたり使い魔を召喚できたりするわけではありません。
おばあちゃんができたこと。
それは「自分が幸せに生きる方法を知っている」ことです。
この「幸せに生きる秘訣」は「まい」も魔女修行を行う中で、少しずつ身につけていきます。
ただ、「幸せに生きる秘訣」といっても大それたことではなく「起きる時間・寝る時間を決める」「畑で作った野菜を使って料理を作る」といったもの。
しかし、魔女修行のどれもが、現代の私達に足りない「幸せのあり方」そのものです。
日々を丁寧に生き、1日の終わりには充実感に浸る。
そんな「幸せに生きる秘訣」が『西の魔女が死んだ』には散りばめられているんです。
【悲しいだけじゃない】3つの納得ポイント
また『西の魔女が死んだ』には、次の3つの納得ポイントがあります。
- 好きな人を大切にしたいと思える
- 読書の入り口にピッタリ
- 文庫版を買いたくなる
詳しく見ていきましょう。
好きな人を大切にしたいと思える
納得ポイント1つ目は「好きな人を大切にしたいと思える」こと。
冒頭でわかるように、「まい」のおばあちゃんは亡くなってしまいます。
それも「まい」が、おばあちゃんと仲違いのような状態で別れてしまった後のことだったんです。
話の最後には「まい」は再び、「おばあちゃん、大好き」と言えるようになるものの、その言葉には後悔も滲んでいます。
好きな人と過ごす時間は永遠ではないこと。
また、仲違いをしたまま別れてしまうことの悲しさを『西の魔女が死んだ』では丁寧に書かれています。
あなたにも今、大切に思っている相手はいますか?
もしいるなら、その人と過ごす時間を大切にしましょう。
相手と過ごせる時間は奇跡のようなもので、永遠ではないことを本書は教えてくれています。
もし仲違いをしているなら、勇気を出して関係修復を試みてみましょう。
読書の入り口にピッタリ
納得ポイント2つ目は「読書の入り口にピッタリ」なこと。
『西の魔女が死んだ』の文庫版を持ってみるとわかりますが、厚さは文庫本の中では薄いと感じるはずです。
また、書かれている文章の行間も広めとなっています。
そのため「読書を趣味にしたばかり」の読書初心者の方や、「読書が数年ぶり」といった読書再開者の方にピッタリの小説なんです。
実際、私も読書を再開して4冊目に読んだ本が『西の魔女が死んだ』でした。
文庫版を購入しましたが、厚さが薄いこと、また内容の良さから一気に読み終えられたんです。
ただ、文章の言い回しが少し独特なため、最初は戸惑うかもしれません。
それでも読んでいくと慣れるので、じっくり読み進めてみましょう。
文庫本版を買いたくなる
納得ポイント3つ目は「文庫版を買いたくなる」こと。
『西の魔女が死んだ』は現在、電子書籍版や単行本版など、複数の媒体で販売されています。
でも、特におすすめなのが新潮文庫から出版されている文庫版(ペーパーバック版)です。
私が購入したのも文庫版だったので、持ち運びしやすく、電車での通勤時間や病院の待ち時間に気軽に読めました。
また、文庫版には「渡りの一日」という話が収録されています。
「渡りの一日」は「まい」のその後の話となっており、以前とは違った雰囲気をまとっている「まい」の様子を垣間見ることができるんです。
『西の魔女が死んだ』の後に「渡りの一日」を読むと、さらに感動が増すので、購入する際は文庫版がおすすめです。
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1959年生まれ、鹿児島県出身。イギリスへの留学経験がある。著書に『西の魔女が死んだ』『裏庭』『からくりからくさ』などがある。また『家守綺譚』は本屋大賞3位に入賞している。(Amazon・Wikipediaより抜粋)
まとめ:まいの成長を感じる1冊
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回は梨木香歩氏の小説『西の魔女が死んだ』を紹介しました。
本書は1冊を通して「まい」の成長を感じる1冊となっています。
「まい」の成長を通して、読者自身の心も癒されるはず。
もし「自分の幸せがわからない」と「幸せ迷子」になっていたら、ぜひ本書を手に取ってみてください。
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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