大人になると、学生時代にはなかった悩みを抱えます。
- 仕事がうまくいかない
- 恋愛関係が複雑になる
- なんとなく人生を生きている気がする
どんな悩みも簡単には解決できないもので、考え込むとさらに複雑化することも。
でも自分にとっての幸せは、意外なところから見つかる可能性もあります。
今回は
- 大人の成長物語が読みたい
- 複雑な恋愛ものを読んでみたい
- かすかな希望を感じられる終わり方が好き
という方におすすめしたい、森沢明夫氏の作品『きらきら眼鏡』についてアシストします。
今回の記事を読めば『きらきら眼鏡』のあらすじとテーマがわかりますよ!
【きらきら眼鏡とは】あらすじを紹介
『きらきら眼鏡』を読んでみて、テーマは「生きる時間の見方」だと感じました。
本書のあらすじは次のとおりです。
主人公の立花明海は、一緒に暮らしていた猫を亡くす。
喪失感に浸る中で立ち寄った古本屋で、明海は1冊の自己啓発本を購入した。
明海が印象に残ったフレーズにはすでに傍線が引かれており、しかも本には「大滝あかね」と書かれた名刺が挟まっていた。
名刺に書かれた連絡先へメールをすると、あかねと会うことに。
この出会いが、それまで流されるように生きてきた明海の人生を変えるきっかけになり――。
『きらきら眼鏡』本文より要約
本書のタイトルにもなっている「きらきら眼鏡」。
もちろん、物理的にキラキラしている眼鏡のことではありません。
「きらきら眼鏡」とは「物事の判断基準になる『心にかけた眼鏡』」のことです。
人によっては「フィルター」や「色眼鏡」と表現します。
「きらきら眼鏡」は人によって異なります。
ある人は「生きていること自体に感謝したい」という眼鏡を。
ある人は「自分なんて生きていても何の価値もない」という眼鏡をかけています。
どちらの「きらきら眼鏡」が正しいということはありません。
どんな「きらきら眼鏡」も、その人自身が自分で選んだものだからです。
それでも、どんな「眼鏡」をかけるかによって、その人の人生は大きく変わります。
上記の2つの「眼鏡」のうち、より生きやすいと感じるのは、おそらく1つ目の眼鏡の方でしょう。
あなたも「自分なんて生きていても価値がない」といった後ろ向きな「眼鏡」をかけているなら、ぜひ『きらきら眼鏡』を読んでみてほしいのです。
おすすめしたい理由は「自分の『眼鏡』を見直せる」から
『きらきら眼鏡』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「自分の『眼鏡』を見直せる」からです。
先ほども書いたように、人によってかけている「眼鏡」は異なります。
普段は、自分が「眼鏡」をかけていることには気づきにくいです。
「眼鏡」を通して現実を見ているので、それが普通のことだと思ってしまうからです。
『きらきら眼鏡』は、そんな普段は気づきにくい「自分の眼鏡」を見直せるきっかけとなる作品です。
主人公の明海は、それまで流されるように生きていました。
ですが、愛猫の死とあかねとの出会いをきっかけに、自分がかけていた「眼鏡」を見つめ直すのです。
明海は作中で、自分の心が乱れる様子を「波が立つ」ようだと表現しています。
この「波が立つ」表現は、明海が育った環境が大きく影響しています。
実は、心にかけられた「眼鏡」は、その人が育った環境の影響を大きく受けるんです。
私の場合、少し前までは「私なんて生きている意味がない」という「眼鏡」をかけていました。
自分の存在価値を見出すことが難しい環境で育ったためです。
でも『きらきら眼鏡』を読んで「眼鏡」を見つめ直し、今では「まぁ、自分が満足できる生活ができればいいかな」と思えるようになりました。
『きらきら眼鏡』の作中では、明海をはじめ、あかねも、あかねの恋人も自分だけの「眼鏡」をかけています。
登場人物がどのような「眼鏡」をかけているのかを知り、自分に応用しようとするのも、『きらきら眼鏡』の大切な要素となっているのです。
【交差する人間関係】3つの注目ポイント
また『きらきら眼鏡』には、次の3つの注目ポイントがあります。
- 登場人物の恋の行方が気になる
- 明海の気持ちの揺らぎに共感できる
- 自分が生きる時間を大切にしたくなる
詳しく見ていきましょう。
登場人物の恋の行方が気になる
注目ポイント1つ目は「登場人物の恋の行方が気になる」こと。
『きらきら眼鏡』には主な登場人物として「明海」「あかね」「あかねの恋人」「明海の先輩」が登場します。
明海はあかねと出会う前に、先輩である女性から告白されます。
ですが、あかねと会う内に明海はあかねに惹かれていきます。
しかし、あかねにはすでに恋人がいて……と、恋愛関係が複雑になっていくのです。
「素直にあかねに告白すればいいのに」とも「先輩と幸せになればいいのに」とも言えない状況に、明海は陥ります。
物語の結末を迎えても、明海は素直に喜べない状況を迎えます。
登場人物達の立場や心情もわかるため、読者は恋の行方がどうしても気になってしまいます。
「恋」という不確定な心も『きらきら眼鏡』を読み進めてしまう魅力の1つなのです。
明海の気持ちの揺らぎに共感できる
注目ポイント2つ目は「明海の気持ちの揺らぎに共感できる」こと。
『きらきら眼鏡』は、その話自体が主人公・明海の成長物語となっています。
今まで周囲に流されるように生きてきた明海は、愛猫の死とあかねとの出会いによって、自分の人生に本当の意味で向き合います。
明海の心の描写は少し独特で、先ほども書いたように「波が立つ」といった表現の他、一部共感できない描写も含まれています。
実際、私も一部の描写が共感できないと感じました。
それでも明海が心理的に成長する過程には、共感できる部分が多いです。
特に物語中盤~終盤にかけての恋の葛藤は、読者も同じく葛藤してしまうほどです。
明海が別れと出会いを通してどう成長するのか?
ぜひ『きらきら眼鏡』を読んで確かめてみてください。
自分が生きる時間を大切にしたくなる
注目ポイント3つ目は「自分が生きる時間を大切にしたくなる」こと。
『きらきら眼鏡』では「命の在り方」もテーマとして挙げられます。
愛猫の命、明海やあかねの命、そしてあかねの恋人の命。
どの命もかけがえのないものとして、作中では取り上げられています。
特に私が印象に残ったのが、あかねの恋人の言葉です。
「命って、時間のことだからさ。もたもたしてると時間切れになっちゃうぞ」
この言葉は私自身も「今」を生きようと思う、きっかけになったものです。
そして、作中で明海にも大きな影響を与えています。
また作中では、他にも印象的な言葉が多く記載されています。
「自分に刺さる言葉」を探すのも、1つの楽しみになります。
また『きらきら眼鏡』を読み終わった後は、明海の今後の人生を応援したくなります。
話自体は完全なハッピーエンドとは言えないものの、かすかな希望を感じられる終わり方となっているからです。
それぞれの登場人物が、自分なりの「命の在り方」を模索する。
『きらきら眼鏡』は自然と、自分が生きる時間を大切にしたくなる作品なのです。
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1969年千葉県生まれ。早稲田大学卒業。『津軽百年食堂』が2011年に映画化。『虹の岬の喫茶店』は2014年「ふしぎな岬の物語」として映画化。2015年には『ライアの祈り』も映画化、『癒し屋キリコの約束』は連続ドラマになり話題に。他の著書に『夏美のホタル』『大事なことほど小声でささやく』『ミーコの宝箱』『ヒカルの卵』などがある。(Amazonより要約)
まとめ:あなたの「きらきら眼鏡」は
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
今回は森沢明夫氏の小説『きらきら眼鏡』を紹介しました。
あなたも明海のように、人生に対して無気力になっていたら『きらきら眼鏡』を読んでみてください。
読み終わる頃には、自分の中の「眼鏡」に気づき、あかねのように「きらきら眼鏡」をかけたくなります。
「きらきら眼鏡」をかければ、きっと今よりも生きやすくなりますよ。
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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