【スカッと医療ミステリー】『天久鷹央の推理カルテ』の感想を紹介!【読了感想】

聴診器と血圧計
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最近、テレビや動画サイトではスカッとする話が好まれています。

たしかに、それまで嫌な展開だった話が最後にどんでん返しを迎えると、良い気分になりますよね。

今回紹介する作品も、スカッとする話の流れが魅力です。

しかも医療ミステリーというジャンルで、です!

今回は

  • 今までにない医療ミステリーものが読みたい!
  • スカッとする話が好き
  • テンポの良い小説をよく読んでいる

という方におすすめしたい、知念実希人(ちねん みきと)氏の小説『天久鷹央の推理カルテ』についてアシストします。

この記事を読めば、『天久鷹央の推理カルテ』のあらすじとテーマがわかりますよ!

【新感覚医療ミステリー】あらすじを紹介

絆創膏を貼られたクマのぬいぐるみ

『天久鷹央の推理カルテ』を読んでみて、テーマは「謎と病」だと感じました。

本書のあらすじは次のとおりです。

統括診断部。天医会(てんいかい)総合病院に設立されたこの特別部門には、各科で「診断困難」と判断された患者が集められる。河童に会った、と語る少年。突然赤ちゃんを身籠った、と叫ぶ女子高生。だが、そんな摩訶不思議な“事件”には思いもよらぬ“病”が隠されていた……?

『天久鷹央の推理カルテ』カバーより抜粋

『天久鷹央の推理カルテ』の舞台となるのは、天医会総合病院にある統括診断部という診断部署。

主人公は統括診断部の内科医・小鳥遊優(たかなし ゆう)です。

そして小鳥遊の上司にあたり、統括診断部の部長を務めるのが、女医の天久鷹央(あめく たかお)なのです。

「あらすじ」でも書かれていますが、統括診断部には内科や外科などで「診断するのが難しい」と判断された患者たちが集まります。

そして患者達の誰もが「河童を見た」「人魂を見た」「赤ちゃんを再び身籠った」と、怪現象を体験しているのです。

『天久鷹央の推理カルテ』は、これら患者が抱える「謎」という病を、天久鷹央が幅広い医師の知識をもって解決していく話となっています。

おすすめしたい理由は「謎に隠された病気が気になる」から

赤く光る3つのクエスチョンマーク

『天久鷹央の推理カルテ』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「謎に隠された病気が気になる」からです。

先ほども書いたように、統括診断部を受診する患者は、誰もが怪現象を体験しています。

一見、どれも病気とは関係ないように見えますが、実は怪現象の裏には必ず「病」が隠されているんです。

ただ、怪現象を体験した本人が、病気を抱えているわけではありません。
「怪現象を引き起こした犯人」が、病気を抱えているケースもあります。

それぞれの患者が体験した「謎」に隠された病気については、実際に本書を読んで確かめてみてください。

ただ、どの「謎」も予想外の結末を迎えます。

「謎」に隠された病気を読み手側が推理するのも、『天久鷹央の推理カルテ』を楽しむ1つの要素と言えるのです。

【医師としての洞察力と知識】3つの注目ポイント

対角線に並んだ3つのクローバー

また『天久鷹央の推理カルテ』には、次の3つの注目ポイントがあります。

  • 鷹央みたいな医師がいたらと感じる
  • スカッとした読後感を味わえる
  • シリーズ通して読みたくなる

詳しく見ていきましょう。

鷹央みたいな医師がいたらと感じる

注目ポイント1つ目は「鷹央みたいな医師がいたらと感じる」こと。

鷹央は医師としての知識はもちろん、医学以外の知識も豊富です。
その知識量は、病院屋上にある「家」と呼んでいる建物内の「本の樹」が物語っています。

ただ、鷹央も完璧というわけではありません。

運動神経が悪く、ぬかるんだ場所で3回も転んでしまったり、自身が興味を示す病気でないと診断は小鳥遊に丸投げしたりと、親しみやすいところもあります。

ただ、医師としての実力は確かで、ささいな現象や痕跡から隠されていた病気を見抜いてしまうのです。

作中でも鷹央が病気を言い当てる様子を見て、研修医の鴻ノ池(こうのいけ)がすぐに憧れの的としてしまうほど。

実際には、鷹央のような医師はいないと思われます。

ですが、どんな病気も見抜いてしまう鷹央の存在は、現代でも必要とされる存在と言えるのです。

スカッとした読後感を味わえる

注目ポイント2つ目は「スカッとした読後感を味わえる」こと。

『天久鷹央の推理カルテ』に収録されているどの話も、読み終えるとスカッとした気分が味わえます。

特に「オーダーメイドの毒薬」の話は、鷹央が病気の原因をなかなか見抜けない中で、ようやくわかった真実と、原因となっていた人物が明かされる様子は「スカッとした」「スッキリした」読後感を味わえます。

もちろん『天久鷹央の推理カルテ』に収録されているどの話も、「謎」が解明されると心のつかえが取れ、気持ちのいい読後感に浸れます。

今は動画サイトやテレビ番組でもスカッとした話が人気ですよね。

『天久鷹央の推理カルテ』も、私が今までに読んだ中でもっともスカッとした内容となっているので、心の中にモヤモヤが溜まっている方に特におすすめの作品なんです。

シリーズ通して読みたくなる

注目ポイント3つ目は「シリーズ通して読みたくなる」こと。

『天久鷹央の推理カルテ』は「天久鷹央シリーズ」の第1作目です。

2024年8月現在、既刊完全版が13巻、新作3巻まで刊行されています。

「既刊完全版」とは、新潮社(新潮文庫nex)から発刊された13巻を、実業之日本社(実業之日本社文庫)から完全版として発刊されたシリーズとなっています。

巻を追うごとに鷹央の周囲の人間関係や、小鳥遊が外科医から内科医へ転向した理由などが明かされます。

また、具体的な日付は決まっていませんが、テレビアニメ化も決定しています。
アニメを見て面白いと思った方は、ぜひ原作となる「天久鷹央シリーズ」を読んでみましょう。

また漫画化もされているため、興味のある方は漫画を読んでみるのもおすすめです。

もちろん、アニメや漫画を見なくても、小説として「天久鷹央シリーズ」は十分に楽しめます。

難しい病名や検査結果が時々書かれていますが基本的には読みやすく、わかりやすい文体なため「久しぶりに読書をする」「読書を初めて趣味にしたい」という方にもおすすめなんです。

まずは第1作目の『天久鷹央の推理カルテ』を読んでみて、シリーズを読むか決めてみましょう!

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知念実希人氏の概要

1978年、沖縄生れ。東京慈恵会医科大学卒業。2004年から医師として勤務。2011年に「島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を「レゾン・デートル」で受賞。医学的知見を生かしたミステリー作家の新星として注目されている。他著作に『優しい死神の飼い方』など。(『天久鷹央の推理カルテ』カバーより抜粋)

まとめ:病院へかかる時は症状を明確に

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。

今回は知念実希人氏の小説『天久鷹央の推理カルテ』を紹介しました。

鷹央のような医師が実際にいると助かりますが、まず病院にかかる時は、患者側も起きている症状を明確にすることが必要です。

必要ならメモを取るなどして、医師の診察に臨みましょう。

それでは、良き読書ライフをお送りください!

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