【隣人の正体】『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』の感想紹介!【読了感想】

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ハッカーの脅威が増しています。
つい先日も、大手出版社がハッカーの標的となったばかりです。

「ハッカー」と聞くと、どうしても悪いイメージがありますが、今回紹介する作品に登場するハッカーなら、むしろ応援してもいいと思えるんです。

そして、そのハッカーはあなたの隣人かもしれません。

今回は

  • ハッカーが具体的に何をするのか気になる
  • コンピューターの知識に自信がある
  • アパートの隣に住んでいる人の顔を知らない

という方におすすめしたい、一田和樹(いちだ かずき)氏の小説『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』についてアシストします。

この記事を読めば『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』のあらすじとテーマがわかりますよ!

【マンションの隣部屋には】あらすじを紹介

正解を選択するドアの写真

『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』を読んでみて、テーマは「自分の周囲にある異常」だと感じました。

あらすじは次のとおりです。

身に覚えのないネット通販履歴に気づいたのがきっかけで、普通の会社員・肇はハッカー集団の一員に!? 変わり者の青年が引きこもり美女と共にネットを駆使して大金を狙うピカレスクロマン!

Amazonより抜粋

『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』の主人公で会社員の肇(はじめ)はある日、自分の好きなお菓子・ラスクが勝手に通販で購入されていることに気づきます。

普通なら警察に通報しますが、肇は自力で、ラスクを購入した犯人に辿り着きます。

その犯人は、自分が住んでいる部屋の隣に住んでいる女性でした。
この女性こそ、天才ハッカーである安部響子なのです。

それまで肇は、自分の隣部屋にハッカーである響子が住んでいること自体、知りませんでした。

そして響子の誘いで、肇はハッカー集団「ラスク」の一員として活動を始めます。

ただ、響子は特異体質で、対面での会話は5分程度しかできません。

そう、タイトルの「五分間の相棒」とは、5分間話し相手ができる肇のことなのです。

響子達ハッカー集団「ラスク」は、何を企んでいるのか?

その経緯をハッカー目線で追うことが『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』のテーマなのです。

おすすめしたい理由は「ハッカーの実態がわかる」から

四角と矢印で描かれたフロー図

『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「ハッカーの実態がわかるから」です。

ハッカー集団の一員となった肇。
通販のハッキングを自力で解決したとはいえ、メンバーとなった当初は「広報担当」となります。

そして響子のハッキングの腕を目の当たりにするのです。

現代でも「ハッカー」と聞くと

「パソコンで悪いことをする人」
「コンピューターウイルスをばらまく人」

というイメージです。

現に響子達も、大企業にハッキングを仕掛け、お金を要求しています。

でも響子達がハッキングを仕掛けるのは、必ず裏で「黒いこと」をしている企業だけなのです。

響子達がハッキングをすることで「黒いこと」をしている企業は、やむを得ずお金を支払います。

結果的に全国規模のニュースとして取り上げられ、ハッカー集団「ラスク」は英雄のような扱いを受けるんです。

現代のハッカーは、響子達のように「黒いこと」をしている企業だけを狙うことはありません。

それでも『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』を読むことで、ハッカー達が何を考え、どう行動しているのかという実態がわかります。

また作者の一田氏自身が、サイバーセキュリティ情報サービスの事業を行っていたため、ハッカーの実態にリアリティがあるんです。

「ハッカーって何をする人なんだろう?」という疑問がある方にこそ『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』はおすすめの作品となっています。

【周囲を把握する大切さ】3つの注目ポイント

2匹のてんとう虫と1つのクローバー

また『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』には、次の3つの注目ポイントがあります。

  • 警察との頭脳戦に引き込まれる
  • 肇と響子の恋が気になる
  • 近所付き合いの大切さがわかる

詳しく見ていきましょう。

警察との頭脳戦に引き込まれる

注目ポイント1つ目は「警察との頭脳戦に引き込まれる」こと。

ハッキングのニュースが広まることで、英雄扱いされる響子達。

ただ、あくまで犯罪は犯罪のため、警察が動き出します。

最初はうまくいっていた響子達の計画も、次第に警察が本気を出すことで、「ラスク」からも裏切る人物が出てしまうことに。

「ラスク」は最終的に海外逃亡を計画しますが、その計画も裏切った人物が情報を警察に渡してしまう……というスリリングな物語が展開されます。

ハッカーは悪い集団だとわかっていても、読者は「ラスク」の味方となって読み進めます。

響子達には逃げ切ってほしいという思いと、警察が総力を挙げて追い詰める描写が『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』の魅力をより引き上げているのです。

肇と響子の恋が気になる

注目ポイント2つ目は「肇と響子の恋が気になる」こと。

自身のクレジットカードが不正使用されたことがきっかけで「ラスク」の一員となった肇。

また「ラスク」のボスが響子であるという、ボスの素顔を知る唯一の存在でもあります。

最初は「5分間しか対面で人と話せない」響子との関係を築くのに苦労する肇ですが、次第に響子に対して淡い恋心を抱くようになります。

それは響子も同じだったようで、肇と話せる時間はどんどん伸びていくんです。

そして、お互い手を繋ぐだけでも緊張するという、思春期のような付き合い方になります。

冷静に、し烈に繰り広げられる「ラスク」と警察との攻防と対になるように、肇と響子の淡い恋は書かれています。

テーマ的にドライになりがちな物語に人間味を持たせてくれる2人の恋。

最終的にどうなったのかは、ぜひ本書を読んで確かめてみてください。

近所付き合いの大切さがわかる

注目ポイント3つ目は「近所付き合いの大切さがわかる」こと。

この記事の始めでも書きましたが、「ラスク」の一員になる前の肇は、隣人はもちろん、身近な人物がハッキングに関係していることをまったく知りませんでした。

現在はプライバシーの問題や、いまだに感染症の影響もあるため、人付き合い、特に近所付き合いの機会が大幅に減っています。

徐々に人との交流は復活していますが、自分の住んでいるアパートやマンションの隣部屋に、どんな人物が住んでいるのか知らないケースは多いです。

「隣に人が住んでいることすら知らなかった」というケースすらあります。

隣人のことを事細かに知る必要はありませんが、普段からあいさつ程度のやり取りはしていた方が、自分も隣人も安心できます。

ながなっつ
ながなっつ

ただ私自身も、なかなか自分から挨拶できずにいます。

それでも、次に会った時は自分から挨拶してみようと思います!

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一田和樹氏の概要

1958年東京都生まれ。2024年現在はカナダのバンクーバー在住。コンサルタント会社社長、プロバイダ常務取締役などを歴任後、サイバーセキュリティ情報サービス事業を始める。2010年『檻の中の少女』で第3回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞。2011年、同作でデビュー。コンピューターセキュリティをテーマとしたミステリー小説を主に執筆している。(Wikipediaより要約)

まとめ:あなたの隣人はどんな人?

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
今回は一田和樹氏の小説『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』を紹介しました。

本作を読むと、必ず近所や隣部屋に住んでいる人のことが気になります。

あなたの隣人はどんな人でしょうか?
まずは軽い挨拶をしても、いいかもしれません。

それでは、良き読書ライフをお送りください!

 

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