【木の精霊たちの願いと温かい交流】『拝啓、桜守の君へ。』を紹介!【読了感想】

桜の花
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個人の庭や神社、学校などで見かける大きな木。

もしかしたらその木には、精霊が宿っているかもしれませんよ

今回は久生夕貴(ひさお ゆうき)氏の小説『拝啓、桜守の君へ。』についてアシストします。

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  • 花や木など植物が好きな人
  • 恋と友情を同時に失った人
  • 精霊を視てみたい人

このような方におすすめの作品です。

本記事を読むと『拝啓、桜守の君へ。』のあらすじとテーマがわかりますよ!

【木に宿る精霊たち】あらすじを紹介

キンモクセイの花

『拝啓、桜守の君へ。』を読んでみて、テーマは「木精との交流」だと感じました。

あらすじは次のとおりです。

恋と友情を同時に失い、落ち込み気味だった大学生の咲(えみ)は、早春の朝、近所の庭園に赴いた。純白の花を咲かせる木の傍に、佇む人影――白木蓮の精霊が、何故かため息をついている。咲は幼いころから花木に宿る精霊を視ることができた。やがて木精が抱き続けていた本心を知ったとき、咲の中でも何かが変わり始めていく――。

『拝啓、桜守の君へ。』カバーより抜粋

『拝啓、桜守の君へ。』の主人公は、大学生の東平(とうなる)咲です。

咲は5歳の頃には、すでに木に宿る精霊「木精」の存在が視えていました。

時が過ぎ、大学生になった咲は、恋と友情を同時に失います。

喪失感で落ち込んでいた咲は、白木蓮や槐(えんじゅ)といった花木に宿る木精たちの願いを叶えることで、自分の心と向き合っていくのです。

咲は木精たちの願いを叶えるために奔走する点が、本作の注目ポイントです。

おすすめしたい理由は「咲の心の成長を見守れる」から

土から芽吹く新芽

『拝啓、桜守の君へ。』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「咲の心の成長を見守れる」からです。

物語当初、咲はとても繊細な心の持ち主として書かれています。

それは読者も「大丈夫なのかな?」と心配になったり、弱すぎる点が悪目立ちしたりするほどです。

それでも物語終盤の出来事がきっかけで、咲は周囲を頼れるようになる、強い心に成長しています

それは木精たちとの交流のおかげでもありますが、現実の人においても交流の輪が広がったことが大きいのではと感じました。

最終的に咲は、自身の心と向き合い、想い人へ自分の気持ちを伝えられるまでになります。

咲の心の成長は、繊細な心を持つ人なら共感できるところがあります

「自分も精神的に弱い部分がある」という方にも『拝啓、桜守の君へ。』はおすすめの作品なのです。

【交流から生まれる力】3つの注目ポイント

3輪の黄色いガーベラ

また『拝啓、桜守の君へ。』には、次の3つの注目ポイントがあります。

  • 花木を大切にしたくなる
  • 木精に会いたくなる
  • 周囲に思いを打ち明ける勇気が持てる

詳しく解説します。

花木を大切にしたくなる

注目ポイント1つ目は「花木を大切にしたくなる」こと。

『拝啓、桜守の君へ。』を読むと、身近な花や木を大切にしようと思えるのです。

本作には様々な花木が登場します。

白木蓮、槐、江戸彼岸桜など、どれも花をつけると見惚れてしまう花木ばかりです。

咲のように美しい木精は見えないとしても、きれいな花をつけた木は自然と大切にしたいと思えます。

昨今では、木を傷つけたり枝を折ったりという悲しい事件も起きています。

それでも『拝啓、桜守の君へ。』には、花木の尊さと強さ、美しさが織り込まれているんです。

本作を読んだ読者なら、花木をいたずらに傷つけるということはできないはず。

もし身近に立派な花木があるなら、ぜひ敬意を込めて眺めてみましょう。

あなたの心も緩やかにほぐれますよ。

木精に会いたくなる

注目ポイント2つ目は「木精に会いたくなる」こと。

『拝啓、桜守の君へ。』に登場する「木精」。

ほとんどの木精が美しい姿を持ち、凛とした空気をまとっています。

そのため本作を読み終わると、読者も「木精に会ってみたい」と思うのです。

もちろん、咲のような「視える力」を持っていなければ、木精を見ることはできません。

それでも本作を読んだ後では、見えないはずの木精が「この木にはいるのでは」と思えるのです。

作中には特殊な姿の木精も登場しますが、その姿を含めても木精が愛おしい存在に思えます。

そして先ほども書いたように、木精が宿っていそうな花木を傷つけることもできないはず。

もしその花木を大切にしているのなら、夢の中で木精に会えるかもしれませんよ。

周囲に思いを打ち明ける勇気が持てる

注目ポイント3つ目は「周囲に思いを打ち明ける勇気が持てる」こと。

『拝啓、桜守の君へ。』の、もう1つのテーマでもあります。

本作の主人公である咲は、木精が見えることを長らく誰にも話せませんでした。

それは木精の1人「楠」に止められたこと、また咲自身が「自分が変に見られるのでは」という思いを抱えていたことも大きいんです。

でも、とある人に打ち明けたのをきっかけに、咲は木精が見えることを信頼できる人にだけ打ち明けていきます

さらに咲は、気まずくなった友人や自分の恋に対しても、正面から話すことができる勇気を持つまでになるんです。

咲の変化は普段、正直な思いを隠してしまう人に響くものがあります。

あなたも「周囲に打ち明けられない秘密がある」「思いを伝える勇気がない」と悩んでいたら、本作が良いきっかけになります。

ぜひ伝える勇気を持ってみましょう。

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久生夕貴氏の概要

「拝啓、桜守の君へ。」にて第4回富士見ノベル大賞審査員特別賞を受賞。改稿のうえ、本作を上梓する。(『拝啓、桜守の君へ。』カバーより引用)

まとめ:木や花を愛でてみよう

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
今回は久生夕貴氏の小説『拝啓、桜守の君へ。』を紹介しました。

最後に印象に残った一文を紹介します。

「ただし彼は、カピバラ(オス)だった。」

誰がカピバラなのかは、ぜひ本作を読んで確かめてみてください。

そしてあなたの身近に木や花があるなら、改めて眺めてみましょう。

本作を読み終わった後なら、よりその美しさを愛でることができますよ。

それでは、良き読書ライフをお送りください!

 

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