本屋でアルバイトをする。
おそらく本好きな人なら憧れたり、実際にバイトをしたりといったことがありますよね。
でも、バイト先の本屋が「特殊な本」を商品にしていたら?
さらに初バイトなのに、苦手な業務を任されてしまったら?
あなたはどうするでしょうか?
今回は
- とにかく本が好き!
- 現代ファンタジーものをよく読む
- 学生になって初めてバイトをする
という方におすすめしたい、三萩せんや氏の小説『神さまのいる書店 まほろばの夏』についてアシストします。
この記事を読めば『神さまのいる書店 まほろばの夏』のあらすじとテーマがわかりますよ!
【まほろ本とは】あらすじを紹介
『神さまのいる書店 まほろばの夏』を読んでみて、テーマは「不思議な本との交流」だと感じました。
あらすじは次のとおりです。
本好きの高校2年生、紙山ヨミは、司書教諭のノリコから、夏休みの間バイトをしないかと、とある本屋を紹介される。さきみたま市の裏道通り三番地にあるその書店の名は「まほろば屋書店」――なんと、魂の宿る生きた本「まほろ本」を扱っている、世にも不思議な書店だった。ヨミはそこでまほろ本の「中の人」サクヤと出会い――?
Amazonより抜粋
『神さまのいる書店 まほろばの夏』で重要な役割となっているのが「まほろ本」です。
「まほろ本」とは「あらすじ」にもあるように「魂の宿る生きた本」のこと。
そして「まほろ本」は、動物や虫といった生き物の姿となって本から現れるのです。
ただ、動物や虫といった、生き物の姿には触れません。
本体はあくまで本なので、実際に触れるのは本だけなのです。
そんな「まほろ本」を専門に扱う「まほろば屋書店」で、主人公の女子高生・紙山ヨミは初めてのアルバイトに臨みます。
『神さまのいる書店 まほろばの夏』は「まほろ本」という不思議な本との交流がテーマとなっているのです。
おすすめしたい理由は「展開のテンポがいい」から
『神さまのいる書店 まほろばの夏』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「テンポのいい展開」です。
ヨミがバイトを始めるきっかけから、まほろ本のサクヤとの出会い、バイトの様子、とある事件……と、物語はテンポよく展開していきます。
これは話の舞台が現代であること、言葉も現代語のこと、そして設定が奇抜すぎないことも理由として挙げられます。
ただ、話の中で大切なポイントとなる部分は、丁寧に書かれています。
例えば、ヨミが初めてのバイトの中で特に苦戦した作業については、ヨミの心の葛藤や作業の工程が丁寧に描写されているんです。
このテンポの緩急の良さが『神さまのいる書店 まほろばの夏』がスムーズに読める大きな理由です。
具体的なテンポの良さは『神さまのいる書店 まほろばの夏』を実際に読んでみないと伝わらないと思うので、ぜひ読んでみてください。
【初バイトのお供に】3つの注目ポイント
また『神さまのいる書店 まほろばの夏』には、次の3つの注目ポイントがあります。
- 久しぶりの読書にピッタリ
- アルバイトをする勇気が出る
- 本を大切に扱おうと思える
詳しく見ていきましょう。
久しぶりの読書にピッタリ
注目ポイント1つ目は「久しぶりの読書にピッタリ」なこと。
先ほども書いたように『神さまのいる書店 まほろばの夏』はテンポの良い展開が大きな特徴です。
文庫本版は厚さも2cm以下で、文体も読みやすいため「久しぶりに読書を再開する」という方にピッタリの作品なんです。
またページに書かれた文章も「ぎっしり」という感じではなく、余白も適度にあるため、読んでいて目が疲れにくいのも嬉しい点。
もちろん「初めて読書を趣味にする」という方にもおすすめです。
また主人公が高校生なので、自分の高校時代と姿を重ねることができます。
「あぁ、たしかにこんな思いをしていたな」
「そうそう、初恋ってこんな感じだった」
と、感傷に浸れるんです。
「読書を再開したいけど、何から読もう?」と迷っている方は、『神さまのいる書店 まほろばの夏』を強くおすすめします!
アルバイトをする勇気が出る
注目ポイント2つ目は「アルバイトをする勇気が出る」こと。
『神さまのいる書店 まほろばの夏』の主人公ヨミは、「まほろば屋書店」でバイトデビューをします。
ただ、バイトを行う中でヨミは大きな壁にぶつかります。
それは「本の補修」作業。
「本の補修」は、糊(のり)や筆を使って行いますが、生来の不器用さも相まって、ヨミはなかなか上達しません。
いつもなら何事もすぐに諦めてしまうヨミですが「まほろば屋書店に居たい」という気持ちから、苦手な姉・エイコから補修の手ほどきを受けます。
結果的に、ヨミは本の補修作業を成し遂げることができるんです。
苦手だと思う物事を乗り越えるには、強い意志が必要です。
特に初めてのアルバイトで苦手なことにぶつかると、やる気も下がりますよね。
でも『神さまのいる書店 まほろばの夏』でヨミの決意を読むことで、バイトに臨む勇気がもらえます。
ヨミと同じようにバイトデビューをする、あるいは初仕事をするという方は、仕事の相棒として『神さまのいる書店 まほろばの夏』を持っておくのがおすすめです。
本を大切に扱おうと思える
注目ポイント3つ目は「本を大切に扱おうと思える」こと。
『神さまのいる書店 まほろばの夏』でヨミが補修の練習を終え、本番として最初に補修したのが昆虫の本でした。
昆虫のまほろ本は蝶の姿をしていましたが、ページの一部が欠けていたことで、蝶の羽も欠けていました。
補修が終わると蝶の羽はきれいな形になり、元気になったんです。
また物語終盤では、サクヤも本体の本に大きなダメージを負います。
そしてヨミが補修を担当するんです。
実際の本は「まほろ本」ではないため、ページや取れていたり破れていたりしても、本が「痛い」「辛い」と表現することはありません。
それでも『神さまのいる書店 まほろばの夏』を読むことで、本を大切に扱おうという気持ちになれます。
本1冊には、様々な技術が詰まっています。
組版、製版、印刷、製本……。
また作者や著者、本を書店まで運ぶ運転手や、書店の店員といった、様々な人の想いも込められています。
「たかが本1冊」と思わず、本には多くの気持ちが詰まっていることを認識して、大切に扱うようにしましょう。
『神さまのいる書店 まほろばの夏』は、そのきっかけとなる作品です。
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2014年に第7回スニーカー大賞特別賞、第2回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞を受賞し、『神さまのいる書店 まほろばの夏』でデビューする。著書として『拝啓、最果ての勇者様へ~竜王の姫とめぐる旅~』(KADOKAWA)、『鎌倉やおよろず骨董堂 つくも神探偵はじめました』(双葉社)がある。
まとめ:あなたの本にも魂があるかも!
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
今回は三萩せんや氏の小説『神さまのいる書店 まほろばの夏』を紹介しました。
もしかしたら実体が無いだけで、あなたが持っている本にも魂が宿っているかもしれません。
もし宿っていなくても、先ほど書いたように本は大切に扱いましょう。
きっと本も大切にされることを喜んでいるはずですよ。
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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