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『嫌われる勇気』をわかりやすく要約して紹介!【目的論・共同体感覚】

岸見一郎(きしみ いちろう)氏・古賀史健(こが ふみたけ)氏共著の『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(以降『嫌われる勇気』)を読了しました。

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「書店で一度は見たことある!」「ベストセラーの本だっけ?」と、本書の評判を見聞きして気になっていた方もいますよね。

今回は概要の他、わかりにくい用語をわかりやすく要約したものもまとめます。

「人間関係に悩んでいる……」という方にもおすすめの内容です。

『嫌われる勇気』概要を紹介

『嫌われる勇気』を読んでみて、テーマは「考え方の相違」だと感じました。概要は次のとおりです。

フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称され、世界的名著『人を動かす』の著者・D.カーネギーなど自己啓発のメンターたちに多大な影響を与えたアルフレッド・アドラー(1870-1937)の思想を1冊に凝縮!!悩みを消し去り、幸福に生きるための具体的な「処方箋」が、この本にはすべて書かれている。

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』カバーより引用

本書は、アドラー心理学を心得ている「哲学者(哲人:てつじん)」の元に、人生に迷い、哲人を論破しようと意気込む「青年」が訪れ、2人の対話形式で話が進みます。

最終的に青年は哲人が語るアドラー心理学の神髄に触れ、自身の考え方と捉え方を大きく変えるのですが、そこに至るまで哲人と何度も衝突します。

青年が抱える悩みや葛藤は、読者の心に固まっている思いとリンクする部分があり、読者も「そうなんだよね」と共感しながら読み進められるのが特徴です。

哲人が説く「アドラー心理学」とは、オーストリア出身の精神科医、アルフレッド・アドラーが20世紀初頭に創設した心理学のこと。世界的にはフロイト、ユングと並ぶ三大巨頭の1人として名前が上がるほどです。

難しそうに思いますよね?

でもアドラー心理学は堅苦しい学問ではなく、人間理解の心理や到達点として受け入れられるほど、私達にとって身近な心理学なんです。

本書は「第一夜」から「第五夜」の5部構成となっています。それぞれの概要は次のとおりです。

『嫌われる勇気』概要
  • 第一夜
    トラウマを否定せよ

    幼い頃から自分に自信が持てず、出自や学歴、容姿について強い劣等感を持っていた青年。過剰なほどに他社の視線を気にしつつも、他者の幸福を心から受け入れられず、自己嫌悪に陥っていた。そんな青年に、哲人は「トラウマは存在しない」「人は変われる」「今の不幸は、あなた自身が選んだもの」だと説く。

  • 第二夜
    すべての悩みは対人関係

    1週間後、再び哲人の書斎を訪れた青年。「目的論は道理に合わない、ごまかし論だ」と反論するも「劣等感と劣等コンプレックスの違い」「人生のタスク」について論じる中で、アドラー心理学は「勇気の心理学」であり「使用の心理学」であることを知る。

  • 第三夜
    他者の課題を切り捨てる

    2週間後、青年は哲人の書斎を訪れる。「自由」について考えたものの答えは出なかった。哲人は「アドラー心理学では承認欲求を否定している」こと、「他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない」ことを説く。「対人関係のカードは常に『わたし』が握っている」という事実に、青年は今一度自身の考えを整理する。

  • 第四夜
    世界の中心はどこにあるか

    翌週、青年は怒りをあらわに哲人の書斎を訪れた。「課題を分離し、対人関係の荷物を軽くすることは、他者とのつながりを失うことではないのか」と。しかし哲人は青年の思いを受け止めつつ「対人関係のゴールは『共同体感覚』である」こと、「承認欲求にとらわれている人は、きわめて自己中心的だ」と説く。青年は哲人から「友人だ」という言葉をかけられ困惑するも、哲人を論破することに決意を新たにする。

  • 第五夜
    「いま、ここ」を真剣に生きる

    約1ヵ月ぶりに、青年は哲人を訪ねる。哲人は「人は『わたしは誰かの役に立てている』と思えた時にだけ、自分の価値を実感できる」こと、そして「人生における最大の嘘」を説く。青年はアドラー心理学の核心に触れ、哲人にお礼の言葉を述べた。

本書は本自体の厚さが1.5cmと、かなりボリュームがあります。ただ、随所にアドラー心理学のエッセンスが散りばめられているため、時間はかかりますが読み応えのある1冊です。

ベストセラーの本でもあるため、それだけ内容が詰まっているという証でもあります。

青年の問いに自身を重ね、哲人の説くアドラー心理学の世界に、あなたも飛び込んでみましょう。

目的論?共同体感覚?わかりにくいポイントを要約

『嫌われる勇気』は心理学や哲学がベースのため普段見聞きしない用語も多く、読むのを挫折してしまうケースもあります。

多くの用語は哲人によって解説されていますが、今回はわかりにくい用語やポイントをいくつかピックアップして要約しますね。

目的論

過去の「原因」ではなく、今の「目的」に焦点を当てた考え方です。

例えば、青年の友人である引きこもりの男性を例とすると「不安だから、外に出られない」のではなく「外に出たくないから、不安という感情をつくり出している」という考えになります。

仮病ではと捉えられますが、当人が感じている症状は本物。ですが、それらの症状も「外に出ない」という目的を達成するためにつくり出されたものと結論付けます。

また、アドラー心理学ではトラウマを否定しています。

そして「自分の経験によって将来が決まるのではなく、経験に与える意味によって自分を決定する」と説いています。

これは、人は過去の経験に縛られないためいつでも変われるという、希望を与える考え方でもあるのです。

劣等感・劣等コンプレックス・優越コンプレックス

アドラー心理学では、劣等感を「主観的な解釈」と位置付けています。「客観的な事実」は動かすことができませんが、主観的な解釈、もっと言えば思い込みなら、自分の手で選ぶことができます。

そのため欠点と思われることも、どのような意味を付けるか・価値を与えるかによって、劣等感は長所にもなります

劣等感自体は悪いものではありませんが「自分は学歴が低いから成功できない」「自分は器量が悪いから結婚できない」と、劣等感を言い訳に使い始めると、その状態は「劣等コンプレックス」となります。

本来は何の因果関係もないのに、あたかも重大な関係があるように自らを説明し、そのまま納得してしまうのです。

さらに劣等感からの努力や成長を行う勇気が持てず、「AだからBできない」という劣等コンプレックスも受け入れられないと、あたかも自分が優れているかのように振舞い、偽りの優越感に浸る状態「優越コンプレックス」に陥ります。

周囲から認められないことを恐れて権威の力を借りたり、「あなたには私の気持ちはわからない」と不幸自慢をして救いの手を払いのけたりする行為に繋がります。

人生のタスク(課題)

人生の過程で生まれる対人関係を「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」に分けて、これらをまとめたものを「人生のタスク」と呼びます。

ひとりの個人が社会的な存在といて生きようとした際、直面せざるを得ない対人関係のことでもあります。

また、様々な理由を設けて人生のタスクを避けようとする状態を、アドラー心理学では「人生の嘘」と呼びます。

課題の分離

「これは誰の課題なのか?」という視点を持って、自分と他者の課題を分けることです。

「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」と考え、他者の課題であるなら踏み込まないようにします

あらゆる対人関係の問題は「他者の課題に土足で踏み込むこと」または「自分の課題に土足で踏み込まれること」によって起こるので、課題の分離ができるだけでも対人関係は激変します。

共同体感覚

対人関係のゴールであり、アドラー心理学の鍵となる概念です。他者を仲間と見なし、そこに「自分の居場所がある」と感じられることでもあります。

共同体とは家庭や職場、地域社会だけでなく、国家や人類などを含んだ全てであり、時間軸では現在だけでなく過去や未来も含まれ、動植物や無生物までも含まれる「すべて」をさします。

共同体感覚は、幸せな対人関係の在り方を考える、もっとも重要な指標でもあるのです。

勇気づけ

横の関係に基づく援助のことです。

縦の関係で発生する、褒めること・叱ることの必要性を否定するアドラー心理学において、対等な横の関係を築き、他者を評価せず、感謝の言葉をかけることです。

人は感謝の言葉を聞いた時、自分が他者に貢献できたことを知ります。

そして「自分は共同体にとって価値がある」と思えた時に自分の価値を実感でき、人生のタスクに立ち向かう勇気を持てるのです。

自己肯定と自己受容

本書では、自己肯定を「できもしないのに『自分はできる』『自分は強い』と自分に暗示をかけること」としています。

そして自己受容を「できないけれど、そんな自分をありのままに受け入れ、できるようになるべく前に進むこと」としています。

100点満点の人間はいないと認め、「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極める「肯定的なあきらめ」を身につける。

交換不能な「ありのままの私」を受け入れ、変えられるものを変えていく勇気を持つ自己受容を本書では勧めています

 

『嫌われる勇気』には他にもわかりにくい用語が登場しますが、どれも本文内でわかりやすく解説されています。

「難しそう……」と読む前から諦めず、思い切って読み始めてみましょう。

併せて読みたい!関連本も紹介

『嫌われる勇気』は「勇気の二部作」の前半となっています。

続編および完結編として『幸せになる勇気』が出版されています。

『幸せになる勇気』では「日々アドラー心理学をどう実践すればいいのか?」「幸せになるために誰もが為さなければならない『人生最大の選択』とは」などについて解説。

『嫌われる勇気』を読んで、もっとアドラー心理学について知りたいと感じた方は、続編である『幸せになる勇気』も手に取ってみましょう。

ながなっつ
ながなっつ

私も『幸せになる勇気』を読むつもりです。読みたい本が増えていく(苦笑)

『幸せになる勇気』も読んでみる

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「人生のタスク」から逃げていた【個人的な感想】

『嫌われる勇気』を実際に読んでみて、私自身「人生のタスク」から逃げていたと感じました。

もっともハードルが低いと書かれている「仕事のタスク」でつまずいてしまい、以降の職場はもちろん、友人関係でも良好な関係が築けなくなったからです。

「人生の嘘」状態にもなっていましたが、本書を読んで改めて「人生のタスク」に向き合う勇気が持てました。

今後は一歩ずつ、仕事や友人関係で良好な関係を築いていきたいと思います。

こんな人に『嫌われる勇気』はおすすめ!

『嫌われる勇気』は私のように「誰にでも良い顔をしてしまう」という、他人軸で生きてしまっている方に特におすすめの1冊です。

また「自分の人生に迷っている」「対人関係がうまくいかない」と悩んでいる方にも、いい処方箋となります。

「ベストセラー本だから気になっている」という方も、一読の価値はあるため書店で見かけたらぜひ購入して読んでみてください。きっと「読んで良かった」と思えるはずです。

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』を読んでみる

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岸見一郎氏について

哲学者。1956年京都生まれ、京都在住。高校生の頃から哲学を志し、大学進学後は先生の自宅にたびたび押しかけては議論をふっかける。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。(『嫌われる勇気』カバーより抜粋)

古賀史健氏について

株式会社バトンズ代表。ライター。1973年生まれ。書籍のライティングを専門歳、ビジネス書やノンフィクションで数多くのベストセラーを手掛ける。20代の終わりにアドラー心理学と出会い、常識を覆すその思想に衝撃を受ける。その後何年にもわたり京都の岸見一郎氏を訪ね、アドラー心理学の本質について聞き出し、本書ではギリシア哲学の古典的手法である「対話篇」へと落とし込んだ。(『嫌われる勇気』カバーより抜粋)

まとめ:「誰かが」じゃない「自分が」始める

今回は岸見一郎氏・古賀史健氏共著の『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』の概要やポイントについてまとめました。

本書の最後には、以下のアドラーの言葉が贈られています。

「誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。わたしの助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく」

誰かが始めるのを待つのではなく、自分が今から始める。アドラー心理学を垣間見た読者なら、今から世界を変えることを始められるはず。

私もできることから、まずは自分の世界を変えていこうと思います!

それでは、良き読書ライフをお送りください!

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