今回は額賀澪(ぬかが みお)氏の小説『猫と狸と恋する歌舞伎町』についてアシストします。
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『猫と狸と恋する歌舞伎町』は青春恋愛ものです。
ただ、よくある恋愛ものと違うのは、タイトルにもある「猫」「狸」「歌舞伎町」という点。
また次のような方にもおすすめの作品です。
- 動物が好き
- ちょっと変わった青春恋愛ものが読みたい
- 裏社会が絡む小説が気になっている
本記事を読むと『猫と狸と恋する歌舞伎町』のあらすじとテーマがわかりますよ!
【はみ出した存在だからこそ】あらすじを紹介
『猫と狸と恋する歌舞伎町』を読んでみて、テーマは「自分だけの生き方」だと感じました。
本書のあらすじは次のとおりです。
男子大学生のふりをして気ままに生きるオスの三毛猫・谷中千歳(やなか ちとせ)は恋に落ちた。人間(ドーナツ屋さん)の女の子・愛宕椿(あたご つばき)と。正体を明かせず悩む千歳……けれども椿の秘密の方がもっとすごかった。なんと彼女は歌舞伎町の任侠団体の組長の娘、しかも……!?
『猫と狸と恋する歌舞伎町』カバーより抜粋
『猫と狸と恋する歌舞伎町』の主人公はオスの三毛猫であり、化けることができる化け猫・谷中千歳です。
千歳は自由気ままに暮らしていましたが、ドーナツ屋で働いていた女性・愛宕椿と恋に落ちます。
そして椿との関係がきっかけで、千歳は自身の生き方と向き合うのです。
「オスの三毛猫で化け猫」である千歳は、猫の間で不吉な存在として忌み嫌われていました。
そんな千歳が椿をはじめ、彼女の周囲の存在達と関わることで「自分だけの生き方」を模索するのが本書のテーマです。
「はみ出した存在だからこその生き方」を探す千歳。
気ままに生きてきた千歳が、もう一度人生を見つめ直す過程が、読者の心にも刺さります。
おすすめしたい理由は「千歳の奮闘を応援したくなる」から
『猫と狸と恋する歌舞伎町』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「千歳の奮闘を応援したくなる」からです。
千歳は椿と付き合っている最中、突然拉致されます。
到着したのは歌舞伎町の、とあるビル。
そこで椿の父親・愛宕君彦と出会います。
だが、君彦はただの父親ではありませんでした。
実は君彦は歌舞伎町が縄張りの、任侠団体の組長だったのです。
そして椿は、組長の一人娘で……と、千歳の生活は椿と付き合い始めたことから大きく変わっていきます。
さらに千歳は、君彦と椿の新たな秘密を知り、裏がありそうな仕事をしてほしいとまで依頼されるのです。
千歳は拉致される際に尻尾を掴まれたこと、また勝ち目がないと見越してしまったことから、君彦の依頼に反発しつつも応じてしまいます。
千歳の奮闘は、読者も思わずハラハラするもので、応援したくもなるんです。
【化かし化かされ】3つの注目ポイント
また『猫と狸と恋する歌舞伎町』には、次の3つの注目ポイントがあります。
- 千歳と椿の恋を応援したくなる
- 千歳の今後が心配になる
- 猫好きにたまらない仕掛けがある
詳しく見ていきましょう。
千歳と椿の恋を応援したくなる
注目ポイント1つ目は「千歳と椿の恋を応援したくなる」こと。
物語当初は、仲睦まじく付き合っていた千歳と椿。
しかし「娘と別れてほしい」という君彦の脅しに千歳は屈し、椿と別れる選択をするのです。
それでも千歳は、事あるごとに椿のことを思い出し、胸を痛めます。
そして椿もまた、千歳のことを諦めていませんでした。
父親と強大な権力によって引き裂かれてしまった、千歳と椿の恋。
どうにもならないとしても、読者は千歳と椿の恋を応援したくなるのです。
2人の恋が最終的にどうなるのか?
ぜひ『猫と狸と恋する歌舞伎町』を読んで確かめてみましょう。
千歳の今後が心配になる
注目ポイント2つ目は「千歳の今後が心配になる」こと。
物語の中盤で、千歳は「裏がありそうな仕事」を君彦から依頼されます。
それは「とある親子の家に居候し、親子を監視すること」でした。
その仕事は、千歳を拉致した張本人で君彦の配下である諏訪の活躍もあり、成し遂げられます。
しかしその後も、千歳は君彦の依頼を受け続けるのです。
正確には「受けざるを得ない状況に置かれたため」でもありますが、読者は千歳の今後が少し心配にもなってしまいます。
自由気ままに生きてきた千歳が、最終的に飼い猫のような形に。
それでも千歳の反発心は消えません。
でも、自分らしい生き方を探していた千歳にとっては、このような生き方もアリなのかもしれない。
読者はそう感じてもしまうのです。
猫好きにたまらない仕掛けがある
注目ポイント3つ目は「猫好きにたまらない仕掛けがある」こと。
本編読了後は、ぜひ書籍の紹介ページにも目を通してみましょう。
なぜなら猫好きにたまらない仕掛けが施されているからです。
具体的にどんな仕掛けなのかは、ぜひ本書を読んで確かめてみてください!
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1990年、茨城県生れ。日本大学芸術学部文芸学科卒。2015年に『屋上のウインドノーツ』で松本清張賞を、『ヒトリコ』で小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。その他の著書に『タスキメシ』『拝啓、本が売れません』などがある。(『猫と狸と恋する歌舞伎町』カバーより抜粋)
まとめ:自分だけの生き方を見つけて
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
今回は額賀澪氏の『猫と狸と恋する歌舞伎町』を紹介しました。
千歳は不本意な形ながらも、自分らしい生き方を見つけました。
本書は改めて「自分らしい生き方とは?」と考えるきっかけになります。
千歳のような生き方ではないとしても、きっとあなたらしい生き方は見つけられる。
そう本書は示しているのかもしれません。
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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