
好きな服を素敵に着こなしたい。
でも、うまく服を選べないと悩みを抱えることに……。
そんなとき、寄り添ってくれるスタイリストさんがいてくれたら、嬉しいですよね。
今回は紅原香(べにはら かおる)氏の小説『服の魔法をあなたに。』についてアシストします。
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- ファッションに興味がある人
- 服に関係した仕事をしてみたい人
- お仕事小説が好きな人
このような方におすすめの作品です。
本記事を読むと『服の魔法をあなたに。』のあらすじとテーマがわかりますよ!
【アパレル定員からスタイリストへ】あらすじを紹介

『服の魔法をあなたに。』を読んでみて、テーマは「服に対するコンプレックス」だと感じました。
あらすじは次のとおりです。
将来に悩む、服好きのアパレル店員・十野紡希(とおの つむぎ)は、超売れっ子の“パーソナルスタイリスト”有馬祐介(ありま ゆうすけ)が経営するサロン《ラルゴ》への転職を決意する。期待に胸を膨らませて出社すると、超不愛想な祐介にいきなり「クビ宣告」を受ける。しかも、それぞれ違う悩みを抱えたお客様方が待っていて……!?
『服の魔法をあなたに。』カバーより抜粋
本作の主人公は、アパレル店員からパーソナルスタイリストへと転職した女性・十野紡希です。
紡希はアパレルメーカーで店長にまで昇格し「エリアマネージャーにならないか」という誘いも受けていました。
ですが祐介の講義を受けたことで、心にあったモヤモヤが晴れます。
「なりたい自分の姿に変身して、無敵になって欲しい」という信念の元、アパレルメーカーを退職し、祐介が経営するサロンへ転職するのです。
ところが、祐介は表向きの顔とプライベートの顔が180度違う人物でした。
無愛想な祐介に向き合いながらも、パーソナルスタイリストとして客の悩みに紡希は寄り添います。
『服の魔法をあなたに。』は、ライトな読み心地ながらも「服に対するコンプレックス」を解消するきっかけをくれる物語なのです。
おすすめしたい理由は「服を通した悩み解決が魅力的」だから

『服の魔法をあなたに。』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「服を通した悩み解決が魅力的」だからです。
どうにか《ラルゴ》で働きはじめた紡希。
でも店を訪れる人物たちは、それぞれが一筋縄ではいかない悩みを抱えていました。
ある人は「婚活で相手に好まれそうな服を選んでほしい」。
またある人は「内気な娘のコーディネートをお願いしたい」。
ただ彼らの背景には、隠された本心があったのです。
祐介と紡希は、お客様が抱える本心を解きほぐし、服を通して悩みを解決していきます。
私が特に印象に残ったのは、第二章の「自分を取り戻すためのサイドプリーツスカート」の話です。
母親の圧力に屈し続けていた栗林乃恵(くりばやし のえ)は、母親の圧力から逃れ、紡希の助けを借りながら、初めて自分で服を選びます。
私自身、服選びを管理されていた時期があったため、乃恵の境遇と気持ちに思わず共感しました。
客の心にあるコンプレックスやわだかまりを、紡希は手探りながらも確実に解消していきます。
反省や後悔を重ねながらも紡希が悩みを解きほぐしていく過程は、読んでいて爽やかさを感じられるのです。
『服の魔法をあなたに。』は紡希の成長はもちろん、悩み解消のきっかけを掴んだ客の様子が丁寧に書かれているのも魅力なのです。
【ファッションを楽しむ】3つの注目ポイント

また『服の魔法をあなたに。』には、次の3つの注目ポイントがあります。
- 好きな服を着たくなる
- 改めてファッションに興味が持てる
- 意外なつながりに驚く
詳しく紹介します。
好きな服を着たくなる
注目ポイント1つ目は「好きな服を着たくなる」こと。
『服の魔法をあなたに。』を読むと、自信を持って好きな服を着たくなります。
本作の主人公である紡希自身、好きなファッションに対して誹謗中傷を受けた経験がありました。
ギャルファッションが好きだった紡希は、露出の激しいギャルファッションに、厚底ヒールのロングブーツを履いて、街を闊歩(かっぽ)していました。
すでに身長が170センチに達していた紡希は、知らない男性に「うわ、巨人がいる」と笑われたり、親からは「そんなみっともない格好をして」と怒られたりと苦い経験をしていたのです。
それでも紡希は好きなファッションを貫きます。
結果的に紡希は、自信を構築するまでに至りました。
『誰のためでもない、自分が好きな格好をして何が悪いのか?』
紡希のこの思いは、作中を通して貫かれる信念でもあります。
改めてファッションに興味が持てる
注目ポイント2つ目は「改めてファッションに興味が持てる」こと。
『服の魔法をあなたに。』を読み終わると、読者は自分のファッションを改めて見直すことができるのです。
本作には様々な服が登場します。
- マンゴーオレンジを基調とした小花柄のブラウス
- 黒いリボンがたくさんついたバニラホワイトのカーディガン
- ロイヤルブルーのロングジャケット
主張が強い服も多いですが、シンプルな洋服も登場します。
そのため読者も、決まっていたパターンから新たなファッションに興味が持てるのです。
ただ、本作は小説のため実際の服を見ることはできません。
もし実際のファッションが気になったら漫画版も出版されているので、以下のリンクから購入してみるのもおすすめです。
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決まったファッションから飛び出すのは勇気が必要です。
それでも『服の魔法をあなたに。』を読むと、飛び出すきっかけが掴めますよ。
意外なつながりに驚く
注目ポイント3つ目は「意外なつながりに驚く」こと。
アパレルメーカーの社員だった紡希と、《ラルゴ》の経営者だった祐介。
紡希は祐介と初対面だと思っていましたが、実はそうではありませんでした。
紡希と祐介の関係については、第四章「高く跳ぶためのメンズパーカー」の終わりで語られます。
紡希と祐介はどのような関係だったのか?
そしてどんな出会いだったのか?
興味を持った方は、ぜひ本作を手に取ってみてください。
ライトな読み口なため、読書を始めたばかりの方にもおすすめしたい作品です。
↓『服の魔法をあなたに。』の購入は以下のリンクから行えます↓
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宮崎県出身、東京都在住。2014年、『東夾怪奇案内 自称小説家蔦市伊織の事件簿』(廣済堂出版)でデビュー。ゲームシナリオライターとしても活躍。数多くの作品を手がける。猫とドールと甘いものをこよなく愛する。(『服の魔法をあなたに。』カバーより抜粋)
まとめ:好きな服を着て街へ
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
今回は紅原香氏の小説『服の魔法をあなたに。』を紹介しました。
最後に印象に残った一文を紹介します。
「理解しようとしなければ、何も見えないのは当然だ。」
紡希が改めて気づいたことですが、誰に対して思ったのかはぜひ本作を読んで確かめてみてください。
そして、本作を読み終わったら自分の好きな服を着て街へ出かけましょう。
きっと、いつもの景色が違って見えるはずです。
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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