『ギフト』を読んだ感想を紹介します!【「救い」という名の贈り物】【読了感想】

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あなたは「人に言えない秘密」を持っていますか?

  • 実は会社を退職した
  • 会社には内緒で副業をしている
  • 彼氏・彼女ができたことを言えずにいる

誰でも1つは秘密を持っていると思います。
私も家族にさえ言えない秘密を、いくつも抱えています。

ただ、その秘密が「救い」のきっかけになるとしたら……?

というわけで今回は

  • ホラーとミステリーの両方が好き
  • 「救い」の話に興味がある
  • 自分も「陰」を抱えている

といった方におすすめしたい、日明恩(たちもり めぐみ)氏の小説『ギフト』についてアシストします。

この記事を読めば『ギフト』のあらすじとテーマがわかりますよ。

ながなっつ
ながなっつ

私の読書再開のきっかけになった小説です!

【「救い」の物語とは】あらすじを紹介

洋書と鍵

『ギフト』のテーマは「誰にでも救いは訪れる」点だと、作品を読んで感じました。

本書のあらすじは次のとおりです。

ある事件がきっかけで、職を辞した元刑事の須賀原は、死者が見えるという少年・明生と、ふとした縁で知り合った。互いに人目を避けて生きてきた二人。須賀原と明生は、様々な事情でこの世に留まる死者たちの未練と謎を解き明かしていく

Amazonより抜粋

主な登場人物は

  • 須賀原:元刑事で現在はレンタルビデオ店に勤めている
  • 明生:須賀原の勤めるレンタルビデオ店に来ていた中学生

と2人だけです。

ただ、そこに死者たちが登場することで「亡くなったいきさつを解き明かしていく」というミステリー要素も含まれています。

そして、作品全編を通して「救い」の物語でもあるんです。

おすすめしたい理由は「全編通して書かれる『救い』の物語」だから

夜明けの農村部

『ギフト』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「全編通して書かれる『救い』の物語」だからという点です。

主な登場人物である須賀原と明生は、それぞれ大きく暗い秘密を抱えています。
ただ、死者たちの問題を解決していく中で、2人の秘密や暗い過去が救われていくんです。

また、暗い過去を抱えた須賀原と明生のみならず、この世に留まる死者たちにも「救い」はもたらされます。

もちろん、「救い」の話だからといって「死者が生き返る」といった結末ではありません。
亡くなっているとはいえ、それぞれの死者に最適な「救い」がもたらされるんです。

物語全編を通して「救い」が書かれているからこそ、『ギフト』は切ないながらも心温まる作品となっています。

【『ギフト』を読むとどうなる?】私が感じた3つの読後感

3輪の黄色いガーベラ

冒頭でも触れたとおり、実は『ギフト』は、私が読書を再開できたきっかけの作品でもあります。
少しずつ読み進め、読み終わった後は達成感と温かい気持ちに包まれました。

特に印象的だった読後感として、次の3つの感覚が挙げられます。

  • 陰を抱えていても前を向こうと思えた
  • 登場人物たちの未来が感じられてホッとした
  • 続編も読みたくなった

詳しく見ていきましょう

陰を抱えていても前を向こうと思えた

暗い秘密、いわゆる「陰」を抱えているのが須賀原と明生です。

特に須賀原は、取り返しのつかない「陰」を抱えています。
それは「明生と同じくらいの少年を追いかけ、死なせてしまった」ということ。
周囲の人からは「仕方がなかった」と言われても、須賀原の心にはずっと「陰」が残り続けていました。

でも明生の協力があり、それまでずっと心に残っていた「陰」が解消します。

これは明生と出会ったからこそ解消できたので、明生との出会いがなかったら須賀原はおそらく一生、「陰」に苛まれていたはずです。

また明生にとっても「死者が見える」ということは、暗い「陰」となっていました。
一方的に救いを求めてくる死者たちが怖く、明生は避けることで精一杯でした。

ところが須賀原と出会い、様々な死者たちの未練を解決していく中で、明生の心にも変化が訪れます。
結果的に明生自身の「陰」も薄まったのです。

「陰」を抱えていても、前を向こうと感じられる
それが『ギフト』の流れでもあるんです。

登場人物たちの未来が感じられてホッとした

須賀原と明生は、それぞれが出会うまで未来を感じられないまま生活していました。

ところが出会ったことで、運命が大きく動き出します。

須賀原は「ありがとう」と感謝できるようになり、明生もまた新しい生活に飛び込む勇気が持てました。

そして須賀原たちが出会った死者たちも、ほとんどが新たな「未来」に向かって旅立つんです。

「死者の未練」や「誰にも言えない秘密」という、暗いベースがある『ギフト』だからこそ、最後の未来への旅立ちは、より印象的なものになっています。

何より、明るい未来が感じられる終わり方だからこそ、読者もホッとできる作品となっているんです。

続編も読みたくなった

『ギフト』を読み終わり、真っ先に私が感じたこと。
それは「続きが読みたい」ということでした。

最後、須賀原と明生は別れることになりますが、心身ともに成長した明生と、自分を取り戻した須賀原が再びパートナーとして活躍する続編を読みたいと、強く思ったんです。

2023年6月現在、残念ながら『ギフト』続編のお知らせはありません。

もちろん『ギフト』の終わり方が物足りない、というわけではありません。
先ほども書いたとおり、切ない終わり方ではあるものの、須賀原も明生も前を向いて生きていく。
そんな未来が感じられる終わり方です。

だからこそ、お互いが成長した2人の活躍も読んでみたい。
素直にそう思いました。

可能性は限りなく低いですが、これからも『ギフト』続編の希望を持ち続けたいと思います。

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日明恩氏の概要

2002年に『それでも、警官は微笑う』で第25回メフィスト賞を受賞。『ギフト』の他、消防士が主人公の『鎮火報 Fire’s Out』をはじめ、『ロード&ゴー』『埋み火 Fire’s out』といった作品を世に送り出している。

まとめ:誰にでも救いは訪れる

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回は日明恩氏の『ギフト』を紹介しました。

誰もが抱える「陰」。
中には、もう取り返しがつかないものもありますよね。

それでも『ギフト』を読むことで、誰にでも「救い」は訪れると感じられます。

あなたも暗い「陰」を抱えていたら、ぜひ『ギフト』を読んでみてください。
きっと未来への希望が見えるはずです。

それでは、良き読書ライフをお送りください!

 

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