子どもの頃、自然の多い場所で過ごし、大人になって都会で暮らすようになると、自然が恋しくなることがありますよね。
またずっと都会に住んでいる方も、ふとした瞬間に「自然に触れたい」と思うことがあるはず。
すぐに自然に触れられる環境だといいですが、なかなかそうはいきません。
でも、この小説を読むと自然に触れているような感覚になれるんです。
今回は
- 自然の描写が魅力的な作品を読みたい!
- 心温まるヒューマンドラマが好き
- 夢はあるが覚悟が決まらない
といった方におすすめしたい、森沢明夫氏の『夏美のホタル』についてアシストします。
今回の記事を読むと、『夏美のホタル』のあらすじとテーマがわかりますよ!
【ツーリングの途中で】あらすじを紹介
『夏美のホタル』を読んでみて、テーマは「自然や人との交流」だと感じました。
『夏美のホタル』のあらすじは次のとおりです。
写真家志望の大学生・相羽慎吾と彼女の夏美は、山里でトイレを借りようと、古びたよろず屋「たけ屋」を訪れる。
そこで暮らしていた「ヤスばあちゃん」と息子の「地蔵さん」。
二人と意気投合した慎吾と夏美は、夏休みを「たけ屋」の離れで暮らすことになり――。
『夏美のホタル』カバーより抜粋
バイクのツーリングで「たけ屋」を訪れた慎吾と夏美、そして「たけ屋」に住んでいた「ヤスばあちゃん」と「地蔵さん」、この4人の交流がメインテーマの作品となっています。
正確には、あともう1人関わりますが、それは実際に読んで確かめてみましょう。
人同士の温かくもせつない交流がメインですが、『夏美のホタル』の最大の見どころは「自然の描写」だと、私は感じました。
おすすめしたい理由は「圧倒的な自然の描写力」
『夏美のホタル』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「圧倒的な自然の描写力」です。
私事ですが、実は趣味で小説を書いています。
『夏美のホタル』と出会った当時は「何か文章の参考になる本はないだろうか?」と、物書きのお手本にしたい本を探していました。
そして出合ったのが『夏美のホタル』でした。
読み始めて数ページで、作者の圧倒的な自然の描写力に目を奪われました。
単なる「夜明け」ではなく「光の粒子をたっぷりはらんだ淡いすみれ色」。
この表現力に、頭の中にチカチカと火花が散ったのを、今でも覚えています。
また慎吾達が過ごす山里の風景の描写も、まるでその場にいるかのように感じられるものばかり。
もちろんこの描写力は、人の心情表現でも発揮されています。
「こんなふうに、私も書きたい」
心からそう思える作品となったのです。
小説を読みながらにして、圧倒的な自然を味わえる。
『夏美のホタル』は小説の中でも描写力に特化した作品なのです。
【自然・交流・夢】3つの注目ポイント
また『夏美のホタル』には、次の3つの注目ポイントがあります。
- 自然の中に行きたくなる
- 人と交流したくなる
- 夢に向かう覚悟ができる
詳しく見ていきましょう。
自然の中に行きたくなる
注目ポイント1つ目は「自然の中に行きたくなる」こと。
おすすめしたい理由で「圧倒的な自然の描写力」と挙げたように、『夏美のホタル』に書かれている自然の描写は、まるで目の前に川や山が広がるように感じます。
そしてそれらの自然の描写に触れて物語を読み終わると、ふとした拍子に自然のある場所に行きたくなるんです。
「自分も川でホタルを見てみたい」
「山の新鮮な空気で深呼吸をしたい」
と、自然に憧れるようになります。
もちろん、近くに川や山がある方はすぐにでも行けますが、都会に住んでいる方はそうはいきませんよね。
もしあなたが都会に住んでいたら、近くの自然豊かな公園に行ってみましょう。
きっと気持ちが満足するはずですよ。
また、公園で読書をしたくなる場合は、こちらの記事が参考になるのでぜひご覧ください。
人と交流したくなる
注目ポイント2つ目は「人と交流したくなる」こと。
『夏美のホタル』には、まだ注目するポイントがあります。
それは「人との交流」です。
ツーリングで訪れた慎吾と夏美、「たけ屋」に居たヤスばあちゃんと地蔵さん。
そしてもう1人の登場人物。
この5人それぞれの交流も、『夏美のホタル』では魅力的に書かれています。
物語の中盤~終盤にかけて、慎吾と夏美は悲しい別れを経験します。
しかしその別れさえも、人によっては「美しい」と感じてしまう描写なんです。
そして読み終わると、自分も誰かと交流したい、あるいは今ある関係を大切にしたいと思えます。
感染症の影響がまだ続く現在。
人同士の交流も増えたとはいえ、元に戻ったとは言えない状況です。
それでも『夏美のホタル』は人と人との交流の大切さを気づかされる、今にピッタリの内容でもあるのです。
夢に向かう覚悟ができる
注目ポイント3つ目は「夢に向かう覚悟ができる」こと。
実は、私自身『夏美のホタル』で「自然の描写」の次に魅力だと思うのが「夢に向かう覚悟が決まる」という点です。
主人公の慎吾と同じ大学生になると、自然と「将来の進路」の話になります。
「自分が本当にしたいことは何か?」
「本当にこの道に進んでいいのか?」
自分の人生の進む道を決めるのですから、頭が痛くなるほど、眠れなくなるほど悩みますよね。
そんなときは、ぜひ『夏美のホタル』を読んでみてください。
主人公の慎吾は、本格的に写真の道に進むか迷っています。
しかし「自然の壮大さ」や「人々との交流」を通して、慎吾の中で「覚悟」ができていきます。
その「覚悟」は慎吾を大きく成長させ、また新たな「覚悟」を芽生えさせます。
夢に向かうと決めるのは、大きな勇気が必要です。
『夏美のホタル』は、夢に向かうか迷っているあなたの背中を、そっと押してくれる作品になりますよ。
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森沢明夫氏は第17回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。『津軽百年食堂』『青森ドロップキッカーズ』『ライアの祈り』という青森を舞台にした三部作が人気。今回紹介した著書『夏美のホタル』は2016年に映画化もされている。
まとめ:自然・交流・夢が詰まった作品
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回は森沢明夫氏の作品『夏美のホタル』について紹介しました。
『夏美のホタル』は、読み込むほどに味わいがにじみ出る小説です。
また1冊の中に「自然」「交流」「夢」が詰まった、作品でもあります
あなたも「自然」「交流」「夢」のどれかにピンときたら、ぜひ読んでみてください!
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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