
森絵都(もり えと)氏の小説『つきのふね』を読了しました。
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「『つきのふね』には名言が登場するって本当?」「主人公が犯罪をしていた作品なの?」と、本作の評判を耳にして気になっていた方もいますよね。
今回はあらすじの他、登場人物や感動する名言についてまとめました。「森絵都氏の作品を読んでみたい」という方に、おすすめの内容です。
『つきのふね』あらすじを紹介
『つきのふね』を読んでみて、テーマは「暗い青春の1ページ」だと感じました。
あらすじは次のとおりです。
あの日、あんなことをしなければ……。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。進路や万引きグループとの確執に悩む孤独な日々で、唯一の心の拠り所だった智さんも、静かに精神を病んでいき――。
『つきのふね』カバーより抜粋)
中学生の少女・さくらを中心に、本作は犯罪や精神の病など、華やかではなく暗い青春の1ページを描いています。
万引きをきっかけに青年・智と出会ったさくらは、居心地の良さから智の住む部屋に入り浸るように。
しかしそこに友人の尚純が入り込み、居心地の良さが一変します。
さらに智の精神状態が悪くなり、一緒に万引きに加担していた級友・梨利に売春疑惑も持ち上がる事態に。
物語冒頭の「なんだかしみじみと、植物がうらやましい。」という一文からも、さくらの気持ちが落ち込んでいるのが読み取れます。
さくら自身が犯罪に加担していたという事実があるため、当初読者は共感できないと思います。私もそうでした。
でも読み進めると、さくらが抱えていた思いに触れられ、最後はさくらを応援していました。
『つきのふね』は暗い青春の1ページを抱えながらも、もがき、希望を見出そうとする中学生たちの物語なのです。
心に響く『つきのふね』の名言
『つきのふね』には、唯一無二の名言が登場します。
それは「人より壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時に生まれもってるもんなんだよ。」という言葉。
物語終盤で登場するこの名言は、とある人物の言葉です。
智の精神状態が悪化し、さくらも尚純もどうしようもなくなった時、とある人物から手紙が届きます。この名言は、届いた手紙に刻まれていた言葉なんです。
人の心はキャパシティが決まっていると、私は感じています。人よりも心のキャパシティが小さい人は、ちょっとしたことでも大きく傷つき、自分を責めてしまいます。
紹介した名言は、そんな壊れやすい心を持って生まれてしまった読者に、大きな勇気を与えるものです。

私も心を壊してしまった経験があります……。もっと早くにこの言葉に出会えていたら、回復も早かったかもしれません。
主な登場人物を紹介【中学生たちと青年】
『つきのふね』は暗い青春ストーリーでありながらも、魅力的なキャラクターが登場します。主な登場人物は次のとおりです。
本作には紹介した以外にも、魅力的な人物が登場します。
さくらの後悔や尚純の奔走を応援したくなったり、智が精神を病んでいく状況に胸が痛んだりと、最初は共感できなくても読み進めるうちに自分事のように感じられます。
中学生たちと青年の交流に注目してみましょう。
こんな人に『つきのふね』はおすすめ!
『つきのふね』は中学生が主役のため、特に同じ中学生に読んでいただきたい作品です。読書感想文のテーマ本としてもおすすめです。
また智が精神を病んでいく過程や、智に付き添うさくらたちの様子も描かれているため「自身も心を壊してしまった」「周囲に精神を病んでしまった人がいる」という方にも救いとなります。
暗い展開が続く本作ですが、最後は希望が見える終わり方となっているため「希望が垣間見える青春物語が読みたい」と言う方にもおすすめの作品です。
↓『つきのふね』を読んでみる↓
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1968年東京生まれ。91年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で椋鳩十児童文学賞受賞。その他の著書に『永遠の出口』『いつかパラソルの下で』など多数。(『つきのふね』カバーより要約)
まとめ:「つきのふね」が導く先は
今回は森絵都氏の小説『つきのふね』のあらすじや登場人物についてまとめました。
タイトルにもなっている「つきのふね」は、本作におけるキーポイントでもあります。暗い青春の1ページに「つきのふね」がどのように物語に関わってくるのか?ぜひ本作を実際に読んで確かめてみましょう。
それでは、良き読書ライフをお送りください!



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