あなたは朝ご飯を食べていますか?
「時間がない」「ダイエットのため」といった理由で、朝ご飯を食べない人は多いです。
でもこの作品を読むと「朝ご飯を食べるのも悪くないかも」と思えます。
そして、店主に悩みを打ち明けたくもなるんです。
今回は
- 日常ミステリー系が読みたい!
- スープが好きで、よく飲んでいる
- 「食」に対して強いストレスを抱えている
という方におすすめしたい、友井羊(ともい ひつじ)氏の小説『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』についてアシストします。
今回の記事を読めば『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』のあらすじとテーマがわかりますよ!
【食とミステリーの物語】あらすじを紹介
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』を読んでみて、テーマは「食がひも解く謎」だと感じました。
本書のあらすじは次のとおりです。
店主の手作りスープが自慢のスープ屋「しずく」は、早朝にひっそり営業している。早朝出勤の途中に、偶然店を知った理恵は、すっかりしずくのスープの虜に。ところが理恵は最近、職場の人間関係がぎくしゃくし、ポーチの紛失事件も起こり、ストレスから体調が思わしくなかった。店主でシェフの麻野は、そんな理恵の悩みを見抜き、事の真相を解き明かしていく。
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』カバーより要約
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』の主人公は、話によって変わります。
それでも共通しているのは、スープ屋の店主・麻野が、客として訪れた人物が抱える謎を解き明かしていく、という流れです。
「謎」といっても、警察が関わるような事件ではありません。
ポーチや指輪を失くしたり、人間関係の不和だったりという、日常にある「謎」です。
それでも「謎」の当事者となった人物は、強い不安やストレスを感じます。
麻野はそんな「謎」の当事者となった客の気持ちを、自分の推理力とスープで解きほぐしていくのです。
おすすめしたい理由は「改めて食事に向き合える」から
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』をおすすめしたい、もっとも大きな理由が「改めて食事に向き合える」からです。
あなたの身近に「食」に対して強いストレスを抱えている人はいませんか?
「食べたら太ってしまう」
「仕事が忙しくて食べている時間がない」
など、食事を抜いてしまう理由は人それぞれですが、どんな理由であれ好ましいものではありません。
実際『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』に収録されている「ふくちゃんのダイエット奮闘記」に登場する「ふくちゃん」こと福田三葉は、自身の体型にコンプレックスがありました。
三葉はダイエットを始めるも、どうしても誘惑に負けてしまいます。
ですが極度に「食べること」を制限するようになり、最終的に拒食症と過食症になってしまうのです。
麻野はそんな三葉と話し、結果的に三葉は妹と和解することで拒食症を乗り越えていきます。
三葉の話は極端な例かもしれませんが、実際、太ることが怖くて食事を制限する方は多いです。
私自身太っており、現在進行形でダイエットを行っていますが、太っていないのにダイエットを行っている方もいます。
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』を読むと、自然と「食」について考えるようになり、食べ物を適切に食べる大切さが身に染みるのです。
あなた自身も「食」に対して強いストレスを抱えているのなら、カウンセリングを受けながら『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』を、ぜひ読んでみてください。
【こんなお店があれば!】3つの納得ポイント
また『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』には、次の3つの納得ポイントがあります。
- 美味しいスープが食べたくなる
- 麻野と露の洞察力に驚かされる
- 読みながら心も満たされる
詳しく見ていきましょう。
美味しいスープが食べたくなる
納得ポイント1つ目は「美味しいスープが食べたくなる」こと。
作品のタイトルにもあるように、本作には様々なスープが登場します。
そしてどのスープも、店主である麻野が丹精込めて作ったものです。
「ジャガイモとクレソンのポタージュ」
「ソーセージのポテ」
「クラムチャウダー」……。
名前を聞いたことのあるスープも登場しますが、私は聞いたことのないスープの方が多かったです。
でも、スープの効能や材料などは麻野が解説してくれます。
またスープ自体の描写も具体的で、スープを実際に目の前にしているような感覚になるんです。
文章を読んでいるはずが、目の前にスープがあるように感じる作品。
それが『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』の大きな魅力なのです。
麻野と露の洞察力に驚かされる
納得ポイント2つ目は「麻野と露の洞察力に驚かされる」こと。
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』の重要人物である、スープ屋の店主・麻野。
彼自身は探偵をしていたという経歴はありませんが、その洞察力と推理力は並外れています。
「謎」が店内で起こった話もありますが、多くは店の外で起こった出来事を客から聞いて、そこから推理をしていくのです。
麻野の洞察力と推理力が高まったのは、おそらく幼少期の経験からだと思われます。
麻野の幼少期に何が起こったのかは、本書書き下ろしの「わたしを見過ごさないで」を読むとわかるので、ぜひ読んでみてください。
そして麻野の娘・露(つゆ)の洞察力も優れています。
露の場合は、麻野いわく「他人の感情に敏感な子」ということですが、人の様子や話している雰囲気から察する力は、もしかしたら親の麻野以上かもしれません。
この2人のおかげで「謎」を抱えた客は、心もお腹も満たされるんです。
読みながら心も満たされる
納得ポイント3つ目は「読みながら心も満たされる」こと。
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』で心もお腹も満たされるのは「謎」を抱えた客達ですが、読んでいる読者も心を満たされます。
特に書き下ろしの「わたしを見過ごさないで」で麻野の過去を知ると、心が切なくなります。
しかし、それでも娘と生きる麻野の強さに、読者は心を満たされるんです。
もちろん『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』に収録されているどの話も、心を打つ内容となっています。
人がどうしても抱えてしまう「人間関係」や「恋愛」の悩み、嫉妬・執着といった感情を、麻野は洞察力と自慢のスープで解決していきます。
ただの日常ミステリーではない「心温まるミステリー」が『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』の1つの魅力なんです。
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』を読み終わった後には、穏やかな読後感が味わえます。
特に朝読書におすすめなので、ぜひ読んでみてください!
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1981年、群馬県生まれ。國學院大學文学部を卒業後、第10回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を『僕はお父さんを訴えます』にて受賞し、デビュー。著作に『ボランティアバスで行こう!』がある。(『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』カバーより)
まとめ:自分の食生活を見直そう
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
今回は友井羊氏の小説『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』を紹介しました。
本書は自身の乱れた食生活を見直す、いいきっかけになる作品です。
読み終わる頃には、きっとあなたも「食生活を見直したい」と思うはず。
その気持ちを大切にして、まずはスープを食べに出かけましょう!
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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