理系学部にいる、あるいは理系の仕事をしていても、本に関わる仕事に憧れる方は多いですよね。
ただ「本に関係する仕事に就きたい!」と決心しても、実際は難しいことも……。
でも実は、理系の知識が活かせたり、理系だからこそ就けたりする仕事もあるんです。
今回は「理系と本に関わる仕事」についてアシストします。
- 理系の学部だけど、本に携わる仕事がしたい人
- 理系でも本に関わる仕事はできるか疑問な人
- 本に関わる仕事で、理系が取るべき資格はあるか気になる人
このような方におすすめの内容です。
本記事を読めば、理系でも本に関わる仕事を目指すきっかけが掴めますよ!
【結論】本に関わる仕事はほとんど文系
結論を先に書くと、残念ながら本に関わる仕事はほとんど文系の分野です。
本を書くことをはじめ、編集関係・デザイン関係・流通関係など、どれもが文系の学部を卒業したり、文系に強い方々が勤めていたりするのが現状なんです。
ただ、これらの仕事の中に理系がまったくいないか、というと、そうではありません。
本に関わる仕事を細分化していけば、理系の知識を活かせる仕事はあります。
もしあなたも「理系だけど本に関わる仕事がしたい」と本心で思っているなら、次の3つを調べておきましょう。
どんな分野の仕事がしたいのか
まずは「どんな分野の仕事がしたいのか?」をはっきりさせましょう。
一言で「本に関わる仕事」といっても、様々な業種・職種があるんです。
大まかに業種を分類すると以下のようになります。
- 文章を書く仕事
- 編集に関する仕事
- デザイン・装丁に関する仕事
- 本を作る仕事
- 本の流通に関する仕事
また、それぞれの業種を細分化した職種は次のようになります。
- 文章を書く仕事:作家・ライター・翻訳家など
- 編集に関する仕事:編集者・校正者・ディレクターなど
- デザイン・装丁に関する仕事:デザイナー・装丁家など
- 本を作る仕事:印刷機械オペレーター・DTP・製本作業者など
- 本の流通に関する仕事:販売店員・トラック運転手・図書館司書など
本に関わる、あるいは携わる仕事といっても、これだけ種類があるんです。
そのため「自分はどんな分野の『本に関わる仕事』がしたいのか」をはっきりさせることが、本に関わる仕事に就くための第一歩なんです。
「本は好きだけど、コミュ力が無いから黙々とできる仕事がいい」「細かい作業は得意じゃないけど、人と話すのは好き」など、自分が好きなことから就きたい職種を絞り込むのもおすすめです。
就きたい分野で必要な能力は何か
次は「就きたい分野で必要な能力は何か?」を調べましょう。
就きたい業種や職種が決まったら「その分野で必要な能力は何か?」を調べるのがおすすめです。
特に「向いている性格」「取得する資格」「必要な経験」などは、しっかり把握しましょう。
本の装丁に関する仕事に就きたいと思っていても、実際に取得していたのがプログラミングの資格のみだった、ということでは意味が無いからです。
就きたい業種や職種によって、必要な経験や資格は大きく異なります。
1つの目安として以下のサイトが役に立つので、本に関わる仕事に就きたい方は一度ご覧ください。
職場は近いか・遠いか
最後に、自分が目指している職種の会社がある場所を確認しましょう。
これは通いやすさと金銭的な問題があるためです。
職場が今の住まいから近ければ、通いやすく、長く勤め続けられることが多いです。
逆に職場が遠い場合は、長い通勤時間を覚悟するか、近場まで引っ越す費用を捻出する必要があります。
通いやすさと金銭的な問題は、自分が思っている以上に精神的な負担になります。
できるだけ職場に近い場所から通うようにすると、精神的な負担が少なくなるので、職場の場所も確認しておきましょう。
理系でも目指せる!本に関わる仕事8選
ここからは理系でも目指せる、本に関わる仕事を厳選して8つ紹介します。
「この仕事なら就いてみたい!」と、仕事探しの目安になりますように!
印刷機械オペレーター
理系におすすめの本に関わる仕事、1つ目は「印刷機械オペレーター」です。
主に機械系・電子系の分野に関わっている方におすすめの仕事です。
印刷機械オペレーターとは、主に本のページを印刷する機械を動かす人のこと。
印刷機械には、新聞紙などを連続して印刷できる「輪転機」と、一枚の用紙に数ページを同時に印刷する「枚葉機」があります。
主な印刷機はこのどちらかの種類で、小型の機械もあるものの、現在でも大型の機械が使われていることが多いです。
印刷機械オペレーターは、自身でインクの濃度調整や、印刷物のチェックも行います。
また機械のトラブルがない限り、機械の操作自体は黙々と行うため、コミュニケーション力が低い方にもおすすめです。
最初はオペレーターの補助作業から入るので、先輩オペレーターからコツを教わりながら機械の技術を会得していきましょう。
印刷インク製造・開発
理系におすすめの本に関わる仕事、2つ目は「印刷インク製造・開発」です。
主に科学・化学系の分野に関わっている方におすすめの仕事です。
印刷に欠かせないのが印刷インク。
印刷会社で自主製造していることもありますが、実際は多くが外注しています。
印刷インクは「無色」「マゼンタ」「シアン」「イエロー」「黒」の5色が主です。
この5色を印刷機械で配合して、様々な色を作り出し、印刷しているんです。
ただ中には特別な色もあり、その場合は印刷インク会社で特別に製造している場合があります。
また現在は、印刷インクもサステナブル化が進んでおり、環境により優しいインクの開発が進められています。
そのため科学・化学系の分野に関わっている方は、開発力・分析力が活かせる仕事でもあるのです。
自分が開発したインクが、本のページや色に使われると思うとワクワクしますよね。
ぜひ仕事の候補として、検討してみてください。
DTPオペレーター
理系におすすめの本に関わる仕事、3つ目は「DTPオペレーター」です。
主に情報通信系・画像作成系の分野に関わっている方におすすめの仕事です。
「DTP」とは、パソコン上で印刷物のデータを作成する作業のこと。
DTPオペレーターは原稿のデータから、印刷物のレイアウトやデザイン・編集などをパソコン上で行う人のことなんです。
現在、印刷機械に設置される「印刷版」は、パソコンでレイアウトされた組版データを印刷版に焼き付けることで作成します。
そして印刷版に焼き付ける組版データは、DTPオペレーターによってパソコン上で作成されたものなのです。
DTPオペレーターになるには、デザイン系分野の学校を卒業したり、画像作成系の資格を取得したりする必要があります。
ただDTPオペレーターは、印刷会社のほか、広告代理店やデザイン会社など活躍の場が広い職種でもあります。
「本のデザインが好き」「画像作成ソフトを使いこなせる」という方は、DTPオペレーターを目指してみましょう。
データベース管理者
理系におすすめの本に関わる仕事、4つ目は「データベース管理者」です。
主に情報通信系・パソコン入力系の分野に関わっている方におすすめの仕事です。
現在、本の内容のデータベース化が進められています。
特に法律系で活用されている「加除式」の本は、データベース化も同時に行われているんです。
加除式とはルーズリーフ形式の本のことで、法令の改正があった部分を抜き出し、新しい内容と交換できる仕組みの本です。
今までは加除式の本で更新していた法律も、現在では資源節約のこともあり、データベース化が進んでいます。
そのため、加除式本のデータをデータベースとして管理できる管理者も、需要があるのです。
また、データベースの管理者だけでは膨大なデータを入力し続けるのは難しいため、タイピングが得意なパソコン入力系の人材も必要とされています。
書籍のデータベース化はこれからも需要が増す分野なので、データベースの知識に自身がある方は職種に応募してみましょう。
ソフト管理者・開発者
理系におすすめの本に関わる仕事、5つ目は「ソフト管理者・開発者」です。
主に情報通信系の分野に関わっている方におすすめの仕事です。
パソコンやインターネットが発達したことで、それに伴うソフトも多岐にわたっています。
特にDTPやデータベース、また流通分野で使用されるソフトは様々で、それらを管理できるソフト管理者の需要も高まっているのです。
また、独自にソフトを開発する印刷会社も増えているため、ソフト開発者の需要も高いです。
そのため「学校でプログラミングを専攻した」「今はゲームアプリ開発会社に勤めている」という方も、活躍の場があります。
ソフトの管理者にはシステムエンジニアの資格や経験が必要な場合もあるので、応募前に確認しておきましょう。
読み上げソフト開発
理系におすすめの本に関わる仕事、6つ目は「読み上げソフト開発」です。
主に情報通信系・電子系・機械系の分野に関わっている方におすすめの仕事です。
あなたは「オーディオブック」という本に触れたことはありますか?
オーディオブックとは人が読み上げた本の内容を、耳で聞いて楽しむ読書のことです。
ただ、最近では読み上げソフトの技術が上がり、人と同じような声質・声色で文章を読み上げられるソフトも登場しています。
そのため本をはじめとした、文章を読み上げるソフトの開発も進められているのです。
読み上げソフトは、パソコン上で読み上げる音声のほか、ロボットや電子機器で読み上げる種類もあります。
また目が不自由な方にとっても、文章を人間のように読み上げるソフトの存在は貴重なものです。
読み上げソフト開発は、これからの時代に必要な分野です。
興味のある方は、ぜひ調べてみてください。
小説家
理系におすすめの本に関わる仕事、7つ目は「小説家」です。
こちらは全理系分野の方におすすめの仕事です。
小説というと、文系が有利だと思いますよね。
たしかに文章の組み立て方や構成力は、文系の大学や専門学校を出ている方が身につけている力です。
でも、理系だからといって小説家は諦めないでください。
理系の持っている知識を活かした内容の小説が書けるからです。
実際、情報通信系の知識を活かし、ハッカーが主人公の小説を書き上げた小説家もいらっしゃいます。
もちろん情報通信系だけでなく、機械系・電子系・科学系の知識も小説には活かせます。
理系の知識は、専門的に学ばないと得られないものが多いです。
そこに文章力をプラスできれば、唯一無二の小説が書けます。
「理系だけど小説家を目指したい」という方は、その情熱を大切に、執筆の一歩を踏み出しましょう。
電子書籍専門ライター
理系におすすめの本に関わる仕事、8つ目は「電子書籍専門ライター」です。
こちらも全理系分野の方におすすめの仕事です。
正直なところ、本全体の出版は減り続けています。
本1冊の出版は様々な工程を経る必要があるため、どうしても価格が上がってしまう傾向も原因の1つなんです。
でも電子書籍だと、価格の相場は低い傾向となっています。
出版にかかる経費が、紙の本よりも抑えられるためです。
そのため「小説以外の文章を書きたい」という方は、電子書籍専門のライターを目指すのも1つの方法です。
電子書籍が話題になれば、結果的に紙の本での出版も夢ではありません。
「自分の理系の知識を本にしたい」「論理的な体系の文章を出版したい」という方は、電子書籍での出版も候補の1つに入れてみましょう。
まとめ:理系でも本に関わる仕事はできる!
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
今回は「理系と本に関わる仕事」について、おすすめの仕事などを紹介しました。
理系の学部や仕事に所属していても、本に関わる仕事はできます。
ぜひ諦めないで、本に関わる仕事を目指してみましょう。
目標とした仕事に就ければ、生き生きと働けますよ!
それでは、良き読書ライフをお送りください!
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